研究概要 |
1.キカラスウリ根茎由来のレクチン キカラスウリの根茎からα_1ーアンチトリプシンーSepharoseおよびブタムチンSepharoseカラムを利用して2種類のレクチン,TJAーIおよびIIを分離精製した。両者共異なる分子サイズのサブユニットの二量体でTJAーIおよびIIの分子量は7万と6.4万である。また当電点はTJAーIで5.45,5.55,TJAーIIで5.80,5.95,6.05であることが判明した。両レクチン共基本的にはβーガラクトシル残基を認識するものの、TJAーIはGalβ1→4GlcNAcグル-プのガラクト-ス残基のCーb位にシアル酸あるいは硫酸残基が結合した場合著しく結合能が増大した。一方、TJAーIIはType1および2鎖のβーガラクトシル残基のCー2位の水酸基が7コ-スおよびN___ーーアセチル基で置換された場合に強い親和性を示した。なお、βーガラクトシル残基の認識機構は ^1HーNMRを用いて解析中である。 2.赤インゲン豆レクチンーL_4およびE_4の糖結合特異性 L_4ーPHAカラムの精密な糖結合特異性はGalβ→4GlcNAcβ1→6{Galβ1→3(4)GlcNAcβ1→2}Manα1→6Manβ1→4GlcNAc pynanosideであることを明らかにした。また、E_4ーPHAカラムはカラム温度を2℃に下げるとGalβ1→4GlcNAcβ1→6Manβ1→4GlcNAcβ1→4GlcNAcotに弱い親和性を示すことから両レクチンカラムはAsn型糖鎖の部分構造を同定する為に有効に応用できる。この性質を利用して約100μgの糖脂質分解酵素活性化因子の全糖鎖構造を決定した。 3.イシガニレクチンの精製および性質 イシガニレクチン(CJAーB)をSephadexーGー200に吸着させて精製し、その性質を調べた。分子量は30万でサブユニット19KDaの16量体である。pIは5.0である。このレクチンはαーガラクトシルあるいはαーグリコシル残基に特異的に反応した。又、Galβ1→3GalβーOーSynsorb又はGalα1→3(Fucα1→2)GalβーOーSynsrbと強い親和性を示したことから血液型B抗原と結合するレクチンに分類される。
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