研究概要 |
緑葉中に存在するLipoxygenase(LOX)の精製を行っているがその精製が成功するまでに同じ13(S)ーHydroperoxideを生成するダイズLOXを用いて基質特異性を調べるために、(ω3Z,ω6Z,ω9Z)を含むC_<12>〜C_<22>トリエン酸およびそのアルコ-ル体を合成し、そして各々の基質特異性を調べた結果カルボン酸系ではpH9の酵素反応でC_<20>にピ-クをもちω6位の炭素に80〜90%が立体選択的にO_2を添加しSーHydroperoxideが生成し、一方アルコ-ル系ではC_<15>ピ-クをもちω6位とω10位にR,S体半々の型で立体選択性を保持した酵素反応でO_2が添加していることを明らかにした。アルコ-ル系のC_<15>がこのような特異な挙動を示すのは基質の活性中心のC_8がω,α両側より等位置にあることにより、親水基、疎水基へのCH_3と末端CH_2OHが逆に半々反応することによると推定した。(裏面のペ-パ- Z.Naturforschg) 一方上記のようなカルボン酸のHydroperoxiシeを基質として開裂反応を起し、C_6グル-プのみどりの香りとC_<12>グル-プのホルモンへの開裂を触媒するHydroperoxide lyase(HPO Lyase)をチャ生葉よりはじめて精製した。本酵素は葉緑体チラコイド膜に結合している膜酵素で、これは世界で最初である。精製されたLyaseは分子量55kDであり、リノ-ル酸,αーリノレン酸およびγーリノレン酸への開裂活性は100,107,7%であった。(裏面 Phytochemistry)
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