研究課題/領域番号 |
02251107
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
堀池 靖浩 広島大学, 工学部, 教授 (20209274)
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研究分担者 |
戸所 義博 松下電子工業, 京都研究所, 主任研究員
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | デジタル・エッチング / 原子層 / 低エネルギエッチング / 低温エッチング機構 / 側壁損傷評価 / F,Cl / Si表面反応 / inーsitu XPS |
研究概要 |
量子細線やドットの作製の際、加工表面と側面への無損傷エッチングをめざし、反応を吸着、反応、脱離の三過程に分離し、各反応エネルギの下限を調べ、一乃至数原子層づつを除去することを目的としてデジタル・エッチング法を研究している。その結果、以下のことが判明した。F/Si系で、(1)ー120℃以下では、フッ素はSi表面に物理吸着するのみでイオン照射があって初めて反応する。このイオン照射反応は、わずかなフッ素原子でも6〜7原子層のフッ化が高速に起り、0.2%F_2/Heまで希釈し吸着量を制御する事でSi(100)の一原子層に近い1.4A/ステップのデジタル・エッチングが達成された。また(2)イオン(Ar^+、Ne^+)のエネルギ、質量の増加と共に、エッチング速度は増加し、反応がイオンの運動量移転に依存していることが分かった。この事から、F/Si系ではイオン衝撃の役割は、フッ化Si層の反応/スパッタ除去にあることが明かである。一方、Cl/Si系では(3)F/Si系同様イオン照射により反応が進行するが、Si(100)に対しCl原子の供給の大小にかかわらず常に約0.4A/ステップの値が得られた。しかも(4)イオンエネルギ約40Vまでは約0.4Aの値を維持し、セルフリミット特性を示した後、急激にエッチングが進み、ー60VでAr^+イオンのみの物理的スパッタの約4倍になることが分かった。この事をinーsitu XPSにより評価した結果、ー15とー60Vで特別な差は見られず、約40eV以下では表面のSiーCLx結合は形成されるが、脱離が不十分であり、それ以上のイオン衝撃では、過剰なClの供給で結合の進行と共バックボンドが多く切断された結果と推測される。更に(5)EB露光レジストをマスクに形成したSi細線のコンダクタンスー線幅依存性を測定した結果、0.5μmまでは側壁損傷が無いが、それ以下の線幅ではコンダクタンスが低下した。この結果が側壁損傷によるものと即断出来ないが、15Vの浮遊電位でも損傷誘起が起こる可能性を考慮すべきと思われる。
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