研究課題/領域番号 |
02252102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
桑原 正明 東北大学, 医学部, 助教授 (50006780)
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研究分担者 |
伊勢 秀雄 東北大学, 医学部, 講師 (10150260)
赤松 映明 京都大学, 工学部, 教授 (40025896)
渡辺 泱 京都府立医科大学, 教授 (10004839)
星 宣次 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80107200)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
19,800千円 (直接経費: 19,800千円)
1990年度: 19,800千円 (直接経費: 19,800千円)
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キーワード | 水中衝撃波 / 生体への影響 / 生体損傷 / 癌 / 癌治療 / 超微細構造 |
研究概要 |
平成2年度の研究によって以下の事項を明らかにした. 1)集束衝撃波の組織損傷の発生機序 高出力の24ーpiece piezoーelementによるgeneratorを使用し、犬膀胱に衝撃波をフォ-カシングした.急性実験では照射部には衝撃波の圧力、照射回数に比例して出血巣が認められた.組織学的な検討ではこの変化は主に血管損傷、特に動脈壁の破綻に起因していると思われた.その本体としては動脈壁に凝固壊死所見が認められたことから、損傷発生には衝撃波によるキャビテ-ション現象の他に熱作用があることが示唆された.In vitro実験ではアルミフォイル、及び圧感作紙を用いて実験を行った.この結果、衝撃波の焦点領域周辺にはアルミフォイルを変形させるのに充分な準高圧力領域が存在し、変形の形態から従来の焦点領域の外側にもキャビテ-ションが発生していることが示された.さらに数値シミュレ-ションから高速の流れの発生していることが明らかになった.組織損傷因子として流れの発生に関してはこれはで報告がなく、さらに詳細な検討が必要と思われた. 2)白色家兎膀胱にV2癌細胞を移植し上記装置を用い収束衝撃波を照射した.コントロ-ルに比べ衝撃波を照射した腫瘍は消減することは無かったが限局的な壊死に陥り衝撃波照射が腫瘍の壊死を促進することが確認された.免疫組織染色の手法を用いて組織のコラ-ゲンを染色した結果、腫瘍組織内の血管が損傷されていることが示された.この結果から、衝撃波照射により血管が損傷され、血管損傷により二次的に腫瘍の壊死が発生するものと思われた.いずれにせよ、衝撃波の照射によって固形癌が治療できる可能性が示唆された. 3)電子顕微鏡による検索では衝撃波照射によって細胞内小器官の破損が確認され、組織損傷は血管損傷による二次的変化の他に細胞機能そのものに対する直接的な損傷も加味されていることが示された.
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