研究概要 |
伝播方向に凹状に湾曲した衝撃波が,進行するにつれて収束し,局所的に高い圧力を生み出す現象は「衝撃波のフォ-カス(収束)」と呼ばれ,極限状態を発生させる新しい手法として注目されている.本研究ではこの現象の解明のための基礎研究を行なうことを目的としている. (1)反射衝撃波の集束:2次元ダクト内を平面入射衝撃波が放物型凹面板から反射し,収束する過程をPLMスキ-ムにより計算を行い,収束過程,収束点(最大圧力位置)の最大圧力,および圧力増幅度に及ぼす種々の因子(例えば凹面板形状,入射衝撃波強さ等)の効果を調べた.この数値計算を実証するため,衝撃波管で実験が行われ,シュリ-レン法とシャドウグラフ法により収束衝撃波の可視化実験が行われた.実験結果は数値計算より作成されたコンピュ-タシャドウグラフと比較,検討され,良好な一致が得られた.また高圧高温発生技術としてみるため,軸対称衝撃波収束の数値計算と実験が進められた.2次元収束に比べると約5倍の高圧を収束点で得られることが分かった.これに対応する収束点での温度も例えば入射衝撃波マッハ数4.5に対し,初期温度の約60倍まで上昇する.実験では収束点からの放射光の強さを測定して高温の達成を確認したが安量的測定はまだ行われていない. (2)収束デトネ-ションの実験:デトネ-ション装置を改造し,デトネ-ションが円筒型に収束していく場合の実験が行われている. (3)Log Spiral型ダクト内の収束衝撃波:この問題が二次精度MUSCL型TVD有限体積法により二次元非定常流オイラ-方程式を数値計算することにより解明された.LogーSpiral型ダクト内で入射衝撃波の収束後に渦が形成され,これは収束前後に形成される第二の衝撃波と反射衝撃波の干渉により作られる衝撃波三重点から発生する剪断流であることが分かった.
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