研究課題/領域番号 |
02252213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三浦 保範 山口大学, 理学部, 助教授 (10034729)
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研究分担者 |
加藤 敏郎 山口大学, 教養部, 教授 (40034714)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 衝撃変成石英 / 構造異常石英 / インパクトクレ-タ- / 高密度シリカ紘物 / 衝撃変成ラメラベイン / 隕石の衝突 / K / T境界の形成 / 恐竜の絶滅 |
研究概要 |
本研究で得られた新しい知見は次のようにまさめられ、国際論文として公表した。 (1)衝撃変成をうけた紘物粒子を超音波ディスクカッタ-で周囲をあまり破壊せずに選択的に取り出せ、X線・電子顕微鏡による構造解析が可能である。(2)超高速物質が衝突してできた北米・豪州のインパクトクレ-タ-と人工クレ-タ-中の衝撃変成石英紘物の物性変化を時間・空間解析した。衝撃波による超高圧の影響は、これまで高圧シリカ紘物の多量の残存によって実証されていたが、本研究では、瞬時に常圧の低温型石英紘物を多量形成されることが分かった。小数第3位に誤差がでるような高精度の単結晶X線構造解析実験から、その衝撃変成石英は、密度が水晶の標準デ-タより1%程度異常に高いことが分かった。(3)衝撃変成作用を受れた石英に衝撃ラメラベインが形成されているのは、超高圧下での高密度相が急激に減圧されて低密度相になるときの体積の差に相当することが分かった。地殼変動などのように地下深所で長時間かけて高温・高圧変成作用を受けた試料30個の石英には、このような衝撃変成ラメラベインは観察できなかった。(4)直径1km程度のアリゾナ・バリンジャ-隕石孔では、高密度シリカ紘物は、クレ-タ-のリムやセンタ-の地下深所に多い。レ-ルガン実験による直径約10cm程度の人工クレ-タ-では、クレ-タ-のリム壁面に高密度相や高温相が残存している。したがって、衝突による衝撃変成作用は衝突で外部に放出された中央部付近のエジェクタ-またはクレ-タ-のリム壁面に多量に残存していることが分かった。(5)恐竜や海生生物が大量に絶滅した白亜紀末期のK/T境界ができた理由は、本研究の実験結果から日本・欧米などのK/T境界に、高密度石英と衝撃変成ラレラペインをもつ石英が多産することが分かったので隕石等の地球外物質の超高速衝突によるものであると考えられる。
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