研究概要 |
プロセス中の気相素過程における中間反応種のin Situな計測法として,レ-ザ-分光法は大変有用である。本研究ではレ-ザ-誘起蛍光(LIF)法と共鳴多光子イオン化(REMPI)法を用いて,光プロセス中の各種ラジカルの密度や速度分布を,高い時間・空間分解能で計測する技術を開発し,表面との反応を含めたプロセス動力学の解明を行なおうとするものである。 本年度はジシランのArFレ-ザ-フォトリシスによる中間反応種の検知と,気相素過程の解析を中心に研究を進め,以下の成果を得た。 1.ジシランのArFレ-ザ-による一光子光分解によって生成した,Si原子をREMPI法により検知し,基底準位と第一励起準位に存在する原子密度の絶対測定を行なった。 2.生成したSi原子と親ガスとの反応はほとんど起こらないことを確認した。 3.さらに3光子励起のREMPI法により,水素原子を検知し,それと親ガスとの反応定数を測定した。 4.上述の条件ではSiH_3ラジカルは検知できず,その生成はあまり多くないことがわかった。 5.LIF光のディテクタ-アレイによる空間分解計測装置を開発し,ラジカル密度の空間分布の単一ショット計測を可能にした。次年度にはこれによって表面反応の計測を行ないたい。 6.プラズマスパッタ-された鉄原子のドプラ-プロファイルをLIF法により計測し,衝突によってthermalizeされる様子を観測した。次年度には光プロセスへの適用を計画している。
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