研究課題/領域番号 |
02255202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
河原 剛一 山形大学, 工学部, 教授 (20125397)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 呼吸リズム / 歩行リズム / 引き込み現象 / 中脳歩行誘発野 / 歩容 / 可変結合 |
研究概要 |
無麻酔・除脳ネコの脳幹に微小電極を刺入し、中脳歩行誘発野(MLR)を機能的に同定した。MLRへの刺激強度とトレッドミルのベルトの速さを変えて、slow walkからgallopまで、種々の歩容の歩行運動を誘発した。本年度はとくに歩行運動中における呼吸リズムと歩行リズムの2つのリズム活動間の結合について解析した。呼吸リズムは横隔膜の筋活動で評価し、歩行リズムは後肢・腓腹筋筋活動で評価した。 slow walk時においては、呼吸および歩行リズムが見掛け上は互いにほぼ独立に発振しており、ほとんどcouplingが認められなかった。しかし、横隔膜と腓腹筋筋活動間の相互相関およびスペクトル解析から、2つの筋活動間には弱いながらもcouplingが存在していることが推定できた。そこで、次にこのlocomotorーrespiratory couplingを支配するパラメ-タを決定するため、動物の歩行速度や歩容を変化させ、その時2つのリズム活動間の相関・スペクトル解析を行った。locomotorーrespiratory couplingは動物の歩行速度にはほとんど依存せず、むしろ動物の歩容に依存して変化し、とくにgallop時において著しく強化されることがわかった。gallop時には2つのリズムがほぼ同期して活動し、呼吸リズムは歩行リズムにほぼ1:1で引き込まれていた。また、この時には呼吸リズムの静的ゆらぎは著しく減少しており、強いcouplingの存在が示唆された。以上から、本年度の研究によって、無麻酔・除脳ネコの歩行運動時における呼吸および歩行リズム間の結合強度に影響を与えるパラメ-タ条件をほぼ立証することができた。
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