研究課題/領域番号 |
02255209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
工藤 基 金沢大学, 医学部, 教授 (80108141)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 聴覚系 / 比較解剖学 / 系統発生 / 脳の進化 / 食虫目 / モグラ / 上オリ-ブ核 / 下丘 |
研究概要 |
本研究では脳幹部聴覚系中継核間の神経回路網の解析に焦点を絞り聴覚情報処理のメカニズムを比較解剖学的アプロ-チにより解明しようとするものである。このことにより、1)なにがより原初的な構造か? 2)特定の聴覚機能にかかわると推定される構造が存在するか?を知ることが期待される。今回は特殊な聴覚機能をもちながら原始的な脳を保持していることが知られているモグラについて重点的に検索した。 モグラで、下丘の一側にFluoroーGold、他側にWGAーHRPを注入し、生存期間をおいて潅流固定し、TMBでHRP反応させたあと蛍光顕微鏡下に上オリ-ブ核を観察した。その結果内側核(MSO)では多数のニュ-ロンが二重標識されたのに対し、外側核(LSO)では、二重標識されたニュ-ロンはごくわずかで大多数がどちらか一方のトレ-サ-でのみ標識された。この結果から内側核からは軸索側枝の分枝による両側投射であることがわかった。これにたいし外側核からは交叉性の投射をするニュ-ロン群と非交叉性の投射をするニュ-ロン群とがほぼ完全にわかれていることがらかった。上オリ-ブ核群は両耳情報比較器(binaural comparator)であることが生理学的には確立されていて、上オリ-ブ核から下丘への交叉性および非交叉性投射が右と左の Acoustic field の中枢内再現機能に重要なかかわりをもっているものと考えられている。この投射系では、外側核からは両側性なのにたいして内側核からは同側性であるというのが定説で、現在まで調べられた動物のうち、ネコ、ラット、マウス、スナネズミ、フェレット、コウモリでそうであったのでこれが全哺乳類共通のプランと考えられてきた。ところが原始的哺乳類である有袋類のオポッサムやフクロネコでは内側核も両側投射することが最近あきらかとなった。食虫類であるモグラでえられた今回の結果を考え合わすと系統発生学的流れを推測でき興味深い。
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