研究課題/領域番号 |
02255226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
田中 啓治 理化学研究所, フロンティア研究システム・思考電流研究チーム, チームリーダー (00221391)
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研究分担者 |
伊藤 南 理化学研究所, フロンティア研究システム・思考電流研究チーム, フロンティア研究員
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 左右眼像の対応 / 立体視 / 視覚連合野 |
研究概要 |
知覚・認識の神経過程についてのこれまでの生理学的研究を支えてきたモデル観は、脳の中では入力情報がフィルタリングされた段々に複雑な特徴が抽出されていくという、神経回路網のいわば受動的な振舞いに重点を置いたものであった。しかし、図と地の反転現象などの例が示すように、認識は入力情報によって一意に決まる静的なものではない。知覚・認識の神経過程をもう一段進んで理解するためには、神経細胞の間の動的な協同作用を心理現象に結び付ける方向での研究が必須であると考える。 本研究では、入力情報の物理的特性だけでは認識が一意に決まらない一例として、左右眼像の対応の問題を捉えた。左右の目に複数の線分あるいは点から構成される像を呈すると、左目の線分と右目の線分の間の対応には複数の可能な解がある。しかし脳は、自然にこの中から一つの解を選択している。計算論的に言えば、この選択は自然界において多くの場合成り立つ確立的な拘束条件を取り入れることにより行われていると理解されるが、その神経メカニズムは全く分かっていない。本研究では、日本サルに図形の奥行きを識別する課題を訓練し、サルが奥行きの識別を行っているときに大脳皮質視覚領域のいろいろな領野から細胞活動の記録を行い、(1)左右眼像対応の可能な解が全て表出される脳の部位および唯一の解が表出される脳の部位を捜し出して、(2)複数の解から唯一の解が選択される神経メカニズムを探る予定である。 平成2年度には、視覚刺激呈示装置を含む実験システムを作成し、サルの訓練を行った。
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