研究課題/領域番号 |
02256204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 弥太郎 京都大学, 医学部, 講師 (80064525)
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研究分担者 |
伊藤 和彦 京都大学, 医学部, 講師 (50034640)
小熊 茂 京都大学, 医学部, 助手 (00169260)
山岸 司久 滋賀大学, 保健管理センター, 教授 (50026829)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 骨髄異形成症候群 / 造血幹細胞 / 血球の分化と増殖 / 分化誘導 / apoptosis / DNA cleavage / サイトカイン / 無効造血 |
研究概要 |
1.骨髄異形成症候群(MDS)の造血異常,無効造血と予後的意義: MDS骨髄の培養系で本症の特徴的な無効造血を実験的に証明した。またその過程で本症造血細胞の早期死滅を示唆する成績を得た。一方、未治療時から3回以上の機会に、骨髄CFUーgmを検索した多数例で、CFUーgmの変化と臨床経過とがよく対応することを確認しえた。 2.骨髄異形成症候群における正常造血抑制: 本症骨髄から3種類の実験条件下でマクロファ-ジを分離し、それらが正常ヒト骨髄のCFUーgm抑制することを見出した。その1は、骨髄非付着細胞をGMーCSF存在下で培養、その2は骨髄単球細胞を無刺激で3週間培養、その3は骨髄の2時間培養で得られる新鮮付着細胞である。これらの細胞集団はマクロファ-ジとしての表面形質と性状を有し、正常骨髄CFUーgmを用量依存性に抑制した。この抑制は3種類のマクロファ-ジの培養上清によっても証明され、培養上清中の生物学的活性の測定および抗体による中和実験から、主として酸性フェリチンであった。ただ第1および第3のマクロファ-ジでは、酸性フェリチン以外の可溶性抑制因子の介在する可能性も無視できないと思われた。なお、一般にMDSの病勢・病型とこれらの抑制因子活性の程度とはよく相関した。現在これら3種類のマクロファ-ジの相互関係とCFUーgm抑制機序の解明を行っている。 3.MDS由来培養細胞株を用いたMDSの細胞生物学と分子生物学: すでに樹立したMyuー1株のほか、TMM、P39株について、分化能、増殖能、正常造血抑制能を研究中である。とくにP39細胞では、分化誘導とともにapoptosisの顕著な発現を細胞生物学と生化学の両面で証明した。これらは、MDSにおける増殖と分化の欠陥を追求する好個のモデルである。
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