研究課題/領域番号 |
02256206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中尾 實信 神戸大学, 医学部, 助教授 (20101066)
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研究分担者 |
刀塚 俊起 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
山田 博規 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
小泉 民雄 神戸大学, 医学部, 助手 (80221232)
中川 俊太郎 兵庫県立成人病センター, 医長
松井 利充 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (10219371)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 造血器悪性腫瘍 / 発癌遺伝子 / 単突然変異 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 細胞分化 |
研究概要 |
1)造血系悪性腫瘍と骨髄異形成症候群(MDS)などの前白血病性疾患について、ras群、cーfms,P53遺伝子の点突然変異をPCR法を用いて検討した。その結果、AMLやMDS、多発性骨髄腫でras群oncogeneの点突然変異が検出された。しかし、cーfmsの点突然変異率は極めて低いものであった。むしろ、P53遺伝子の点突然変異あるいは欠損の方が重要と考えられた。 MDSよりAMLへ転化した症例より細胞株を樹立し、その遺伝子異常について検討した。当該細胞を用い、変異遺伝子に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し、その遺伝子活性抑制による白血病細胞の形質変化などについて検討を続けている。 2)アンチセンスオリゴヌクレオチドは分子遺伝学的な研究のみでなく、将来的には遺伝子治療の薬物療法に貢献するものと期待されている。単にアンチセンス遺伝子を移入する目的であれば、レトロウィルスベクタ-等を用いる移入を行う方が効率的である。しかし、薬物として開発するにはオリゴヌクレオチドを改良していく必要がある。第一の問題点はアンチセンスオリゴヌクレオチドをRNAaseなどの分解から防ぎ、安定化させる工夫が必要である。cーmyc,cーfos,cーjun等の転写調節遺伝子のアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し、培養細胞を用いるin vitroでの系で、その安定性を検討した。その結果、未修飾のオリゴヌクレオチドは不安定であることが明らかになった。2'ーOーmethyl groupを含むオリゴヌクレオチド(2'ーOMe RNA)はDNAーまたはRNAaseに抵抗性を示す,第二の問題点は細胞によりオリゴヌクレオチドの摂取率が異なる点である。本年度はオリゴヌクレオチドの安定化と同時に、細胞への摂取率を向上させる方法の改良を進めた。 次年度から本題である種々の安定化アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる血球分化の分化誘導機構と分化障害について、具体的な研究を進める。
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