研究課題/領域番号 |
02256211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
富永 眞一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (70155571)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | イミュノグロブリンス-パ-ファミリ- / インタ-ロイキン1受容体 / 細胞増殖 / 細胞周期 / G_0 / G_1移行期 / 分泌タンパク質 / 細胞間相互作用 |
研究概要 |
細胞増殖開始過程で特異的に発現されるST2遺伝子産物は、イミュノグロブリンス-パ-ファミリ-に属し、インタ-ロイキン1受容体に酷似した構造を持つが、細胞外部分のみに相当し、膜貫通部分、細胞内部分を欠いている興味深い分子である。この発現調節機構を探るためには遺伝子のクロ-ニングが重要と考え、マウス脾臓のGenomic LibraryからST2 cDNAをプロ-ブにして、ST2遺伝子をクロ-ニングした。8×10^5個のプラ-クから1個のpositive cloneが選択された。全塩基配列を決定したところ、約9kbにわたり、8個のエクソンと7個のイントロンから成っていた。プロモ-タ-領域と思われる部分にはGC Boxが2個あり、またTATA Boxによく似た配列が認められた。7番目のイントロンには、TATCの4塩基が14回繰り返して配列した奇妙な部分があった。一方、Interspecific Backcross法により、マウスの染色体上におけるST2遺伝子の位置を決定した。その結果、ST2遺伝子は第1染色体上にあり、Ilー1r1 locusと非常に近接していることが判明した。 ST2とインタ-ロイキン1受容体との緊密な関係を示唆する興味深いデ-タである。また、ST2のインタ-ロイキン1結合活性を含め、その生物学的機能に興味が持たれたので、発現ベクタ-に導入してCOS細胞で発現させる試みを行ったが、発現に成功しなかった。ひきつづき他の発現ベクタ-に導入し、再度検討を行っている。一方、予想されるアミノ酸配列からオリゴペプチドを合成し、これに対するウサギの抗体を調製し、現在抗体活性の検討に入っている。この抗体を用いて細胞内外の、ST2タンパク質の局在、増殖系に対する促進または抑制効果の有無、インタ-ロイキン1アッセイ系に及ぼす効果の有無などから、生物学的機能を検討する予定である。
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