研究課題/領域番号 |
02257205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀江 稔 京都大学, 医学部, 助手 (90183938)
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研究分担者 |
岡田 泰伸 京都大学, 医学部, 講師 (10025661)
河合 忠一 京都大学, 医学部, 教授 (70025659)
小森 優 京都大学, 医学部, 助手 (80186824)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
虚血とくに心筋梗塞に伴う不整脈は、その致命率が高いにも関わらず、発生機序が現在、十分に解明されているとはいえない。一般に、局所的な心筋不応期dispersion(ばらつき)が障害心筋と健常心筋との間に生じミクロ・リエントリ-回路が形成されることが一因とされる。心筋不応期はその活動電位の持続時間(APD)に対応するので、虚血時に想定されるカテコラミンの上昇が単離心筋細胞レベルでの再分極過程にどの相な影響を与えるのか、より生理的と考えられる細胞内Ca暖衝力のもとでパッチ・クランプ法ならびにfuraー2による細胞内Ca測定により検討した。使用したカテコラミン濃度は10nM以下で、より生理的という点に留意した。モルモット単一心室筋細胞を用いたパッチ・クランプの実験において、細胞内ca環境が生理的に近い条件(pCa7,lowEGTA)のもとでは、低濃度のイソプロテレノ-ル(Iso)はβアドレナリン・レセプタ-刺激によりAPDを短縮した。一方EGTAを加えCa濃度を下げたり、緩衝力を増加するとIsoはAPDを延長した。これらは心筋不応期の短縮および延長に対応する。より生理的細胞内Ca環境におけるAPD短縮は、Isoにより誘発される内向きのCa電流より外向きのK電流の増加の防が大きいために、結果的に外向き電流が増大するためと考えられた。このIsoにより誘発される外向き電流は比較的、早い活性化過程を有し、細胞内Ca濃度およびCa緩衝力により影響を受けることがfuraー2を用いた細胞内Caの測定実験で明かとなった。従来の遅い活性化過程を有する「遅延整流K電流」がIsoによるβレセプタ-刺激を介するcAMP依存性キナ-ゼによる燐酸化で活性化状態が促進されるのか、あるいは全く異なるチャネルが存在するのか今後さらに検討を進める予定である。
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