研究課題/領域番号 |
02257210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
今永 一成 福岡大学, 医学部, 教授 (40078613)
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研究分担者 |
井上 真澄 福岡大学, 医学部, 助手 (40223276)
坂本 康二 福岡大学, 医学部, 助教授 (30078761)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | excitation conduction / gap junction resistance / cardiac muscle |
研究概要 |
心筋では、興奮伝導障害が、reーentryを誘発することから不整脈の起因として重要である。機能的合抱体と称される心筋では、細胞間の興奮伝播の場がgap junctionであることが広く示唆されているからには、gap junctionの電気的抵抗の変化と細胞間興奮伝導との関係を追究することは、不整脈の解明においても意義をもつものと思われる。 Gap junctionの電気的抵抗の直接の測定には、ラット心室筋酵素処理paired cellを用い、double voltage clamp法で行った。その結果、正常状態と思われる条件でも、極めて広い範囲の抵抗値が得られた(1〜200MΩ)。これは細胞分離の状態に依存しているのかも知れない。この抵抗の範囲では、興奮伝導速度と抵抗との関係を求めることは出来なかった。興奮伝導に影響を与える抵抗は200MΩ以上と考えられる。そこでgap junctionの抵抗と興奮伝導速度との関係を、より生体に近い条件の多細胞標本を用い、impedance法で追究した。この方法では、longitudinalおよびtransverseのgap junctionの抵抗と興奮伝導速度との相関を求めることが可能であった。transverseのgap junctionの抵抗は約400Ωcmで、longitudinalのそれの約5倍であった。transverseの伝導速度は、longitudinalのそれの約0.45倍であった。ouabain中毒によって、伝導速度が75%に減少するとき、gap junctionの抵抗は、3.5倍に増加した。この様に、興奮伝導速度は、gap junctionの抵抗の平方根に逆比例することが示された。またWー7によって、ouabainによるgap junctionの抵抗上昇と伝導速度の減少は軽減された。このことから、gap junction channel開閉調節におけるCa^<++>の作用には、calmodulinが関与していることが示唆された。
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