研究概要 |
1)BarH2遺伝子の構造決定。BarH1遺伝子の全構造は既に決めている。BarH2の全genomic DNAとcDNAを単離し、それらの塩基配列を決定した。そ結果BarH2は、6kbと1kbの二つのイントロンを持ち、645アミノ酸からなるポリペチドをコ-ドする遺伝子である事が判明した。BarH2のホメオドメイン60アミノ酸のうち56はBarH1と全く同一であった。更に興味深い事に、両者で異なるアミノ酸は全て、トランスアクチベ-タ-の結合サイトと想定されるヘリックス2に局在していた。この事は、BarH2タンパクがBarH1タンパクとは異なるタンパクにより活性化されるにも拘らず、同一の塩基配列を認識しDNAに結合する事を示唆している。2)BarH1タンパクのftz結合部位への結合。BarH1のin vivoでのDNA結合部位は、まだ同定されていない。BarH1タンパクのDNAへの結合性を調べるために、ヘリックス3の9番目のアミノ酸がグルタミン残基である事に着目し、ftzタンパクの結合するNP配列へのBarH1タンパクの結合性を調べた。フィルタ-アッセイ、サウスウエンタンブロットにより、BarH1タンパクが、NP配列と強く結合する事が分かった。またこの結果は、footprintingでも確かめられた。3)抗BarH1抗体を用い光受容細胞R1,R6における特異的発現に対する他の遺伝子の影響を調べた。その結果、BarH1の発現開始には、R2,R5でのホメオボックス遺伝子roの発現が、またその維持には、glass遺伝子産物が必要な事が示唆された。またBarH1は、自分自身の遺伝子産物によっても正の調節を受けている事も示された。
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