研究概要 |
ショウジョウバエホメオボックス遺伝子Antennapediaに対応するマウス遺伝子Hoxは、現在までに約30クロ-ン化されている。これらの遺転子は4つのクラスタ-形成しており(Hox1,Hox2,Hox3,Hox4)、in situハイブリダイゼ-ションなどの結果から、発生過程で主として外胚葉由来の神経管および中胚葉由来のいくつかの組織で発現していること、クラスタ-中の配列順序と頭尾軸に沿った発現領域との間に相関関係があることが明らかになっている。我々も新たにクロ-ン化したHox3遺伝子についてin situハイブリダイゼ-ションによって、発生過程におけるその発現領域を調べた結果、Hox3クラスタ-についても他のクラスタ-と同様な、クラスタ-中の配列順序と前後軸に沿った発現領域との関係があることが明らかになった。 T7プロモ-タ-を用いた大腸菌発現ベクタ-にマウスホメオボックス遺伝子断片(Hox1.1,Hox3,1,Hox3.5)を結合したリコンビナントを作製し、合成した蛋白に対する抗体を調製した。この抗体を用いて、ランダムな25ヌクレオチドの配列にin vitroで結合したホメオボックス遺伝子産物複合体をアフィニティ-精製、クロ-ン化し、塩基配列を決定した。その結果Hox遺伝子産物はTAATをコアとする塩基配列に選択的に結合することが明らかになった。この配列はこれまでに報告されているホメオボックス遺伝子産物の結合配列と類似性があった。
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