研究課題/領域番号 |
02258223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
長田 重一 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第一研究部, 部長 (70114428)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 造血因子 / 顆粒球コロニ-刺激因子 / 転写制御 / 転写因子 / マクロファ-ジ / CSF産生腫瘍 |
研究概要 |
顆粒球コロニ-刺激因子(GーCSF)は、骨髄において好中球の増殖と分化を促進する糖タンパク質である。通常、GーCSFは骨髄間質細胞から産生されるが、感染過程においてエンドトキシンなどで刺激されたマクロファ-ジなどからGーCSFが大量に放出される。そして、このGーCSFが感染過程における好中球の増加を担っていると考えられる。また、ある種のヒトがん細胞が異所的、構成的にGーCSFを大量に分泌することも知られている。 私達は、これまでにヒト及びマウスGーCSF cDNAを単離し、その一次構造を明らかにするとともに、GーCSFの染色体遺伝子構造を解明した。そこで、本研究では単離したGーCSF染色体遺伝子を用いて、マクロファ-ジでのエンドトキシンによる誘導的発現機構、ヒトがん細胞での構成的発現機構の解析を試みた。ヒト、マウスGーCSF染色体遺伝子の構造を比較すると、転写開始部位より上流300bpのDNA配列は顕著な相同性を示す。そして、レポ-タ-遺伝子CATの発現を指標とした解析より、この部位がGーCSF遺伝子のマクロファ-ジでの誘導的発現、ヒトがん細胞での構成的発現を担っていることを示した。次いで、このプロモ-タ-領域に種々の変異(点変異、欠失変異)を導入することにより、GーCSF遺伝子のプロモ-タ-上には少なくとも三個のcisーelementsが存在し、GーCSF遺伝子の発現を制御していることを示した。さらに、これらのcisーelementの配列を含むDNAをプロ-ブとしたゲル・シフトassayなどにより、マクロファ-ジの細胞株、ヒトGーCSF産生腫瘍などの核抽出液には、これらcisーelementsに特異的に結合する転写因子が存在することを明らかにした。
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