研究課題/領域番号 |
02259209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畠中 寛 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (60208519)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ガングリオシド / 神経栄養因子 / 初代培養神経細胞 / 神経細胞死 / 細胞生存維持 / 前脳基底野神経細胞 / 黒質神経細胞 |
研究概要 |
脳神経系を構成するニュ-ロン群はその分化・生存維持に種々の拡散性の情報蛋白質群の影響を受けることが知られている。我々はこれらの蛋白質因子群が作用する場合に、脳神経系の種々のニュ-ロン群の発達段階において、特に成熟ニュ-ロンとなり、続いて老化して行く過程において、どの様にその作用の違いが生じるかについて、培養ニュ-ロンを用いて明らかにしようとしてきた。ガングリオシドは動物実験での結果から、成熟脳での損傷修復に関して重要な働きがあるとされている。そこで、成熟神経細胞の初代培養を用いたガングリオシドの機能の研究を行い、その神経栄養因子活性についての理解に役立てようとした。これら神経栄養因子の研究から、神経細胞の成長、生存維持、再生修復などの機構が明らかになっていくものと考えている。ここで我々の中枢神経細胞の初代培養法は、神経栄養因子の作用を検討するのに極めて有効であることが分かった。本年度は、ガングリオシドを用いる研究として予備的な実験に留まっているが、生後2週齢のラット黒質ド-パミン作動性神経細胞の生存が、アストログリア細胞の存在下で、ガングリオシドGM_1によって維持されることを明らかにした。現在、この時神経突起が伸びているか、胎児からの神経細胞に対してガングリオシドがどの様に働くかについて検討している。また、アストログリア細胞がないとどうか、脳の他の種類の神経細胞に対してはどうかなどを調べている。また、特に投射型の神経細胞を標識して培養する方法を用いることにより、これらの細胞と介在型の神経細胞に対するガングリオシドの機能に違いがあるのかということについて調べる予定である。また、本年度完成した成熟ラット中枢神経細胞の培養系を用いての予備的なガングリオシドの添加効果も見たが、GD_<1b>およびGM_1は共に顕著な神経細胞の生存維持効果を示した。
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