研究課題/領域番号 |
02260204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
中安 博司 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60135465)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 染色体骨格 / 核骨格 / モノクロ-ナル抗体 / DNAル-プ / ショウジョウバエ / 唾液腺染色体 / 熱ショック遺伝子 |
研究概要 |
真核生物の核内には、DNAが約50キロベ-ス程度の長さのル-プ構造をつくり収納されている。DNAル-プの付け根は核骨格と呼ばれる核内の線維状網目状構造体に結合しており、また細胞分裂時には、対応する染色体骨格に根を下している。これらのDNAル-プの付け根部分はル-プの複製や転写に重要な寄与をしていると考えられている。染色体骨格や核骨格を構成する蛋白質がどの様な構造と機能を持っているのがを調べるために、これらに対する特異的なモノクロ-ナル抗体を利用した。染色体骨格と核骨格の共通の構成成分であり、強いDNA結合能を示す250kdの核蛋白質は、酵母、ショウジョウバエ、高等植物からヒトにいたる大部分の真核生物に見られる。この蛋白質は、核内で網目状に分布し、また細胞分裂期においては、染色体の表面に分布するという性質も、調べたすべての種で共通であった。この普遍的な構造蛋白質の機能を探るために、ショウジョウバエの唾液腺染色体で、遺伝子活性化に伴うこの250kdの蛋白質の状態の変化を調べた。迅速に、かつ容易に活性化できるHSPー70のヒ-トショック遺伝子(87A,C)部分のクロマチンについて検討した。この巨大な染色体では、周囲の縞模様により遺伝子座の同定が容易にできる。 ヒ-トショック20分でパフが大きくふくらんでくるが、それに伴い免疫ケイ光法でその部分が強く光るのがみられた。この250kdの蛋白質はパフが萎んだ後も極めて永い期間にわたりそこにみられるという“記憶"に似た現象が見られた。同様の“記憶"がエクジソンにより誘導される第3染色体上の多くの遺伝子座のクロマチンにおいても同様に認められた。
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