研究課題/領域番号 |
02260210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 克美 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10191280)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | cdc2キナ-ゼ / タンパク質脱リン酸化酵素 / オカダ酵 / カリクリンA / MPF |
研究概要 |
培養細胞BHK21を用いて、cdc2キナ-ゼの活性化機構について検討した。S期の初期に同調したBHK21細胞を、タンパク質脱リン酸化酵素(PrPase)阻害剤であるオカダ酸で処理すると、1時間後にcdc2キナ-ゼが活性化されることを見いだした。活性化は一過的であり、2時間目以降、cdc2キナ-ゼは失活した。サイクリンBは、同調した状態ですでにcdc2タンパク質と複合体を形成しており、1時間後には、リン酸化レベルが上昇していた。また、cdc2キナ-ゼの失活がみられる3時間目には、サイクリンBは分解していることがわかった。これらの結果は、オカダ酸感受性のPrPaseがMPFの活性化に対して抑制的に作用することを示唆する。また、M期に同調した細胞をオカダ酸で処理すると、サイクリンBが分解しcdc2キナ-ゼが急速に失活することから、オカダ酸感受性のPrPaseは、サイクリンBの分解を抑制することにより、活性化したcdc2キナ-ゼの活性維持に対し正に作用することも示唆された。オカダ酸とは化学構造の異なる、やはりPrPase阻害剤である、カリクリンAもcdc2キナ-ゼを活性化する。しかしカリクリンAの場合は、cdc2キナ-ゼは少なくとも4時間は活性化されたままで、サイクリンBの分解も見られない。微小管の再編成も一時的にしか観察されず、間期の状態に回復する。従って、オカダ酸とカリクリンAは、PrPaseに対する阻害様式が異なると考えられる。 一方、BHK21細胞の抽出液を用いて、cdc2キナ-ゼを試験管内で活性化させる系の開発を行っている。細胞質画分を用いるとcdc2キナ-ゼはひとりでに活性化するが、核画分の塩抽出液は、活性化制御因子であるcdc25タンパク質依存性に活性化が見られることを見出した。
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