研究課題/領域番号 |
02261210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡辺 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023471)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 植物の老化 / グルタミン合成酵素 / ハツカダイコン / 窒素代謝 / 遺伝子発現 / クロ-ニング |
研究概要 |
貯蔵タンパクの合成に必要なアミノ酸の窒素の大部分は、根から吸収された無機の窒素に直接由来するものではなく、いったん、葉などの栄養組織の細胞を構成するタンパク質に組み込まれていたものが、その組織の老化の過程で分解され、貯蔵組織に転流されて再利用される。このとき分解されたタンパク質に由来する窒素は、グルタミンやアスパラギンのようなアミドの形態に変換された後、転流される。窒素の転流形態であるアミドの主要な部分はグルタミンが占めているが、緑葉細胞におけるグルタミンの代謝の中枢に位置するグルタミン合成酵素には、細胞質に局在するイソ型GS1と、葉緑体に局在するものGS2があることが知られている。以前の研究によってハツカダイコン子葉が老化を開始すると後者の遺伝子の発現が止まって、前者の遺伝子がその後期に強く発現するようになり、その酵素タンパク質の含量が増加することを見いだしていた。子葉の老化に伴うGS1の遺伝子の発現調節機構を明らかにするために、そのcDNAをクロ-ン化した。その結果、3種類のクロ-ンが得られ、そのうち二つは子葉の老化に伴って発現が誘導される遺伝子に対応するものであり、残りの一つは老化に関係なく常に発現している遺伝子に対応するものであることが明らかとなった。また、これらのcDNAにコ-ドされるポリペプチドと子葉細胞中に存在するものとを比較した結果、子葉で発現しているGS1遺伝子はこれらの三つだけであることが明らかとなった。さらに、これらのcDNAをプロ-ブとして用いて、老化に伴って発現する遺伝子をクロ-ン化することに成功した。その構造解析の結果、すでに知られているアルファルファの遺伝子に比べてイントロンの数が4個も少なく、その長さも小さいコンパクトな遺伝子であることが明らかとなった。
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