• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

植物培養細胞における浸透ストレスを利用した有用物質の大量蓄積機能発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02261216
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関熊本大学

研究代表者

小野 莞爾  熊本大学, 理学部, 教授 (70033842)

研究分担者 石田 昭夫  熊本大学, 教養部, 教授 (40040117)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード浸透ストレス / 植物培養細胞 / 耐塩性 / 物質集積 / ペオニフロリン / 遺伝子発現 / 変動タンパク質
研究概要

本研究では、双子葉植物の7種と塩生植物の3種およびコケ植物の3種の各培養細胞系を用いた。これらの培養細胞をMS培地に種々の濃度のNaClを加えた培地で培養して、それらの成長を比較した。その結果、ほとんどの培養細胞系が0.25%NaClを加えた培地でも成長したが、それ以上の濃度では成長が抑制された。ニンジン培養細胞は比較的にNaClに耐性があり、0.5%まではcontrolとほとんど同じ成長を示し、1%でも成長速度は若干落ちるものの、最終的にはcontrolと同じ成長量に達した。オオホウキゴケ培養細胞もNaClに耐性があり、1%でもcontrolと同様な成長を示した。また、タチゴケ培養細胞は0.25%でもまったく成長が抑制され、NaClにsensitiveであった。塩生植物のウラギク培養細胞は、0.5%NaClまでは耐性を示したが1%では成長が抑制された。このように植物体の状態で耐塩性を示す塩生植物が、培養細胞の状態では必ずしもその性質を保持しているとは限らないことがわかった。
次に、ヒゴシャクヤク(Kp86ー2)、ニンジン、フクハラオレンジ、ツルボ、ゼニゴケ(A18)、マルバハネゴケ(Plo)の各培養細胞について、浸透ストレス環境下における細胞中のタンパク質の変動について調ベた。それぞれの培養細胞を、0.08M,0.15MのNaClと0.16M,0.3Mのマンニト-ルで5回以上継代後、HPLCでタンパク質の変動を調べた。その結果、上記のようなストレスをかけると、タンパク質の組成に変動が見られ、それぞれの培養胞系で3つまたは4つの新たなタンパク質のピ-クが現れた。また、controlで存在したタンパク質の中のいくつかは、その量が増加した。Rt.5.1のピ-クは6系統全てに共通してタンパク質の量が増加した。ヒゴシャクヤク(Kp86ー2)に0.2Mまたは0.3Mマンニト-ルでストレスをかけると、いずれの場合もcontrolよりも薬用成分のpaeoniflorin生産量の上がることがわかった。
以上の成果をもとに、今後浸透ストレスにより変動するタンパク質やアミノ酸の同定およびこれらに関連する酵素タンパク質を分析し、浸透ストレスに適応する調節機構と遺伝子発現の関係を明かにしたい。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shuichi Harashima and Kanji Ono: "Physiological characteristics and morphogenetic potential of longーterm cultured cell lines in bryophytes" Journal of Hattori Botanical Laboratory. 69. 171-184 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Kanji Ono,Mie Sakamoto,Osamu Fujimaru and Akio Ishida: "Accumulation and variation of low molecular weigt compounds in plant cultured cells under osmotic stress." Plant and Cell Physiology.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

URL: 

公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi