研究課題/領域番号 |
02262102
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松原 謙一 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (20037394)
|
研究分担者 |
藤山 秋佐夫 国立遺伝学研究所, 助教授 (60142311)
落谷 孝広 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (60192530)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1990年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
|
キーワード | B型肝炎ウイルス / 肝癌 / ウイルスDNAの組込み / X遺伝子 / トランス活性化 / CATアッセイ |
研究概要 |
B型肝炎ウイルスは、その感染に基づくと思われる肝癌細胞のDNA中に組込まれていることが多いが、その癌発生に果たす役割については不明なままに残されている。我々は、12例のランダムに選んだ組込み体DNAをクロ-ニングして、その中に、別の遺伝子の転写をトランス活性化する能力があるか否かを検討する中から、少なくとも6例はこの能力があることを発見した。これが発癌と直接の関わりを持つか否かは不明だが、細胞の活性が或る圧力の下に置かれる状況が作られていることは間違いない。そこで、このトランス活性化能についてさらに詳細な検討を行った。用いた手法は、12例の組込み体DNAをエフエクタ-とし、これを、種々のプロモ-タ-につないだCATDNA(レポ-タ-)と共に肝癌由来の細胞HptG2にトランスフェクションして、エフエクタ-無しの場合と比較するものである。 1.ウイルスゲノムDNA中のX遺伝子がトランス活性化能を示す。12例の組込み体のうちトランス活性化能を示した6例は、このX遺伝子を不完全な形で持っている。Xの完全性はこの能力に関与しないらしい。 2.X遺伝子と、組込み体DNAのうちの一つDA2ー6とが、細胞の種々の遺伝子プロモ-タ-を活性化する能力に差に示さないか検討したが、このようなことはなかった。 3.組込み体のうち、トランス活性化能を示さないものは全て、X遺伝子の領域を欠いていた。 4.組込み体の中からDAー2を選び、そのトランスフェクションによって誘起されるメッセンジャ-RNAを調べたところ、X遺伝子のプロモ-タ-から転写が起こり、RNA合成はウイルスと細胞DNAの結合点を越えてさらに下流まで続いていた。このRNAからXタンパクのC末端からアミノ酸14個を失い10個異なるものを付加したタンパクができる。
|