研究課題/領域番号 |
02262210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
別府 輝彦 東京大学, 農学部, 教授 (80011873)
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研究分担者 |
吉田 稔 東京大学, 農学部, 助手 (80191617)
堀之内 末治 東京大学, 農学部, 助教授 (80143410)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1990年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | Cell cycle control / Trichostatin / Leptomycin / Staurosporine / Histone acetylation / Protein kinase / Flow cytometry |
研究概要 |
1)トリコスタチンA(TSA)の標的分子の解明:TSAは動物細胞の細胞周期をG_1,G_2両期で停止させ、G_2停止細胞からの除去により増殖性4倍体細胞を形成させるなど、実質的に初めて明らかとなったG_1,G_2期特異的阻害剤である。TSAの生物活性は、その光学異性体には全く認められなかったことから、細胞内にTSAと立体特異的に結合する標的分子が存在することが示唆された。そこでこれらを明らかにする目的で増殖制御に関わる生化学反応について解析したところ、細胞内ヒストンの高アセチル化を誘導することが明らかになり、 ^3Hー酢酸のパルスチエイス実験からこれがヒストンの脱アセチル化の阻害によることが示された。そこで部分精製したヒストンデアセチラ-ゼの活性について調べてみると、非拮抗型の阻害を示し、阻害定数34nMという強力な阻害活性が明らかとなった。さらにFM3A細胞のTSA耐性変異株を取得し、そのヒストンデアセチラ-ゼ活性を測定したところ、TSA耐性を示したことからTSAの一次標的分子が本酵素であることが証明された。 2)新しい細胞周期阻害剤の探索系の確立とスタウロスポリンの再発見:新しい阻害剤を取得する系としてラット3Y1細胞のS期同調培養に薬剤を加え、その停止パタ-ンをフロ-サイトメトリ-で判定するという系を確立し、約5000株の微生物培養液についてテストしたところ、低濃度でG_1停止、高濃度でG_2停止を示すものを見出した。この物質は単離構造解析の末、強力なプロテインキナ-ゼの阻害剤として知られるスタウロスポリンであった。本物質によるG_2停止は可逆的であり、薬剤除去後同調的なG_2→Mの進行が認められ、G_2期からの同調培養が初めて可能になった。この場合の標的キナ-ゼは<cdc2>___ーキナ-ゼまたはCーキナ-ゼが考えれるが、現在その同定を急いでいる。
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