研究課題/領域番号 |
02262217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井村 裕夫 京都大学, 医学部, 教授 (10025570)
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研究分担者 |
福田 善弘 京都大学, 医学部, 講師 (50127130)
清野 裕 京都大学, 医学部, 助教授 (40030986)
葛谷 英嗣 京都大学, 医学部, 助教授 (20115835)
森 徹 京都大学, 医学部, 教授 (40026894)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1990年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | 膵がん / 膵内分泌腫瘍 / 肝がん / 甲状腺がん / 糖輸送担体 / 単クロ-ン抗体 / ELISA / 遺伝子発現 |
研究概要 |
がんにおいてはブドウ糖の取り込みが亢進するが、これは糖輸送担体(GLUT)の増加によるものと考えられる。そこで膵がん、膵内分泌腫瘍,肝がんにおいてGLUTー1,ー2,ー3の発現をNorthern blot法で検討した。正常膵外分泌細胞のGLUTの型は不明であるが、膵がんではGLUTー1,ー3の発現が認められた。このことはGLUTー2に対する抗体を用いた免疫組織化学によっても証明された。また膵ラ氏島はGLUTー2を有するが、内分泌系の腫瘍ではGLUTー1,GLUTー3が検出され、GLUTー2は認められなかった。また正常肝は主にGLUTー2で少量のGLUTー3が存在するが、肝細胞がんではGLUTー2のほかに、GLUTー1,ー3の増加が観密された。以上のことからがんにおいてはGLUT遺伝子のスイッチが起こり、正常とは異る遺伝子が発現することが明らかとなった。そのメカニズムを解明する一助として、GLUTー1遺伝子の5′上流にCATを結合した遺伝子を導入して観察したところ、腫瘍プロモ-タ-であるホルボ-ル・エステルにより発現が促進されることが明らかになった。 次に甲状腺分化がんに対する単クロ-ン抗体TCMー9についてその診断への応用を検討した。まず甲状腺がんをヌ-ドマウスに移植してInー111標識抗体によるイメ-ジングを試みたが不成功に終った。これは抗原が細胞表面に露出していないためと考えられるが、血中に抗原が多い可能性も考慮しなければならない。次に血清を固相に吸着させた後、抗体を作用させて血中抗原のELISAを行ったところ、甲状腺分化がんで高値であったが、非腫瘍性疾患でも高値を取るものがあり、更に検討が必要である。今後方法を改良すれば、このTCMー9は血中腫瘍マ-カ-として応用できる可能性が大きい。
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