研究課題/領域番号 |
02262225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高井 義美 神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)
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研究分担者 |
河田 正仁 神戸大学, 医学部, 助手 (20224785)
菊池 章 神戸大学, 医学部, 助手 (10204827)
貝淵 弘三 神戸大学, 医学部, 助教授 (00169377)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1990年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | ras p21 / smg p21 / ゲラニルゲラニル基 / GDP解離促進蛋白質 / GTPase活性促進蛋白質 / Aキナ-ゼ |
研究概要 |
本年度の研究において、私共はras p21類似低分子量GTP結合蛋白質の中でも、ras p21と同じエフェクタ-領域を有しているsmg p21Bに焦点をあてて解析を進めた。smg p21BのC末端のアミノ酸配列はras p21に類似してCysーAーAーXであるが、このCysにはras p21と異なり、ファルネシル基の代わりにゲラニルゲラニル基が結合していることを明らかにした。また、AーAーXの部分は取り除かれ、Cysのカルボキシル基はメチル化されていた。これらの翻訳後修飾はras p21と同様にsmg p21Bの細胞内局在と機能発現に必須であることを明らかにした。一方、私共はsmg p21のGDP/GTP交換反応を促進する蛋白質であるGDP解離促進蛋白質(GDS)を均一にまで精製し、そのcDNAをクロ-ニングして全一次構造を決定した。smg GDSはsmg p21Bの細胞膜からの解離を促進した。また、Aキナ-ゼはsmg p21Bの179番目のセリンをリン酸化するが、リン酸化されたsmg p21Bはsmg GDSとの親和性が高まることが明らかになった。私共は昨年度、smg p21のGTPase活性促進蛋白質(GAP)を部分精製した。したがって、smg p21はAキナ-ゼ、smg GDS、smg p21 GAPによりその活性が制御され、さらに細胞膜への結合も制御されることが明らかとなった。最近、ras p21がチロシンキナ-ゼの下流に位置していると報告されている。私共はsmg p21がras p21GAPを抑制することを明らかにした。したがって、smg p21の標的蛋白質の1つはras p21 GAPであり、smg p21はras p21GAPの活性を抑制することにより、チロシンキナ-ゼ系の作用を促進すると考えられる。このように、smg p21は種々の細胞内情報伝達系のクロスト-クに重要であると考えられる。以上の成績を得たことにより本年度の研究計画はほぼ達成することができた。
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