研究課題/領域番号 |
02263204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
沓掛 和弘 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90143362)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 細菌鞭毛 / レギュロン / 遺伝子発現 / 転写調節 / シグマ因子 / 機能構造 / 分子認識 / 塩基配列 |
研究概要 |
サルモネラ鞭毛レギュロントに特異的なシグマ因子FliAは、239個のアミノ酸から構成されてる。このシグマ因子のプロモ-タ-認識能と転写開始反応における機能構造を明らかにする目的で、この突熱変異体を多数分離した。in vivoにおける鞭毛レギュロンの転写活性の測定から、それらのなかには、(1)シグマ因子活性を失ったもの、(2)シグマ因子活性の上昇したもの、(3)プロモ-タ-認識の特異性が変化したもの、(4)アンチ・シグマ因子に対する感受性が変化したもの、などが含まれていることがわかった。これらのうち(2)に属すると考えられるものはすべて(4)の性質を同時に獲得していた。これらの(2)と(4)の性 質を合わせ持つ7株から<fliA>___ー遺伝子をクロ-ン化して、それらの突然変異点を塩基配列レベルで決定したところ、これらはすべて同一の塩基に起こった同一の塩基置換(T→A)であり、その結果Va1213がGluに置換していることが判明した。このアミノ酸置換はシグマ因子のドメイン4内に起こっていることから、Va1213はプロモ-タ-のー35配列との相互作用に重要な役割を果たしていると同時に、アンチ・シグマ因子との相互作用にも関与しているものと推定された。さらに、(4)の性質のみを示す14株についても同様にクロ-ン化し突然変異点を決定したところ、10株においてドメイン4に起こったアミノ酸置換であることが判明した。これらのことから、アンチ・シグマ因子はFliAシグマ因子のドメイン4に結合することにより、シグマ因子がプロモ-タ-のー35配列と相互作用するものを阻害しているものと推定された。残りの4株の突然変異点は、FliA蛋白質のN末付近と中央都付近に位置づけられた。これらはいずれもアンチ・シグマ因子に対する感受性を完全には失っていないので、蛋白質の三次元構造を介してアンチ・シグマ因子との相互作用に影響を及ぼしているものと推定された。
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