研究概要 |
本重点領域研究は,昭和62年より3年間に亙り行なわれた数値流体力学の研究を総まとめするために,その成果を本として出版するための下相談をする研究である。基本的には本年度行なわれた会議を基に,来年度本を出版するための科研費への申請が行なわれた。このために4回の大きな会議が東京で行われ,更に,各グル-プに分かれて,小さな会議をいくつか持った。会議では主に本の内容をどのように構成するかが検討され,本の書名が数値流体力学で,副題は基礎と応用に決定した。B5判で約600ペ-ジを予定,20章よりなり,第1章は序論,第2章は差分法(I)非圧縮性流れ,第3章は差分法(II)圧縮性流れ,第4章は有限要素法,第5章は境界積分法,第6章は渦法,第7章はスペクトル法,第8章は格子形成法,第9章はコンピュ-タとグラフィックス,第10章はベクトル計算機と並列処理,第11章は乱流解析法(I)LES,第12章は乱流解析法(II)素過程モデル,第13章は乱流解析法(III)現象論モデル,第14章は実在気体効果を伴う流れの解析法,第15章はボルツマン方程式の解法,第16章は混相流の解析法である。また,第17章から20章までは応用問題であり,第17章は理学問題が,第18章は宇宙・航空分野への応用が,第19章では機械工学とその関連分野への応用が,第20章では土木・建築・環境問題への応用がそれぞれ取り扱われる。各章の執筆者は,重点領域研究のメンバ-が主であり,第2章から16章までの基礎編では基礎がしっかり述べられ,応用編では産業界からの執筆者も加わり,実際的な事が紹介されている。なお,口絵には,各執筆者の提出したカラ-グラフィックの中から,きれいなものを取り出し,16ペ-ジに亙り,掲範される予定である。
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