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新しい分子生物学を取り入れた進化集団遺伝学の展開

研究課題

研究課題/領域番号 02299201
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

木村 資生  国立遺伝学研究所, 名誉神授 (20000226)

研究分担者 高畑 尚之  国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助教授 (30124217)
石和 貞男  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20017205)
太田 朋子  国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (80000256)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード集団遺伝学 / 分子進化学 / 分子生物学 / 分子進化の中立説 / 生物進化 / 遺伝情報
研究概要

本重点領域研究は、最近の分子生物学の進歩によって明らかになってきたDNAレベルでの新しい変化要因や各種遺伝因子の進化的意義を集団遺伝学の観点から定量的に把握することを目的としてきた。本年度はその成果取りまとめを行ないこれを広く世に問うと共に、将来の問題点を明らかにすることに努めた。具体的には、主要な成果を英語で編集出版した。これは、班を構成した40名程の研究者から約20名を選び各自の研究概要を336頁からなる本に木村と高畑で編纂したものである。この編纂は、学会出版センタ-/SpringerーVerlagから今年1月に出版のはこびとなった。また書評は、すでに日本遺伝学会誌およびMolecular Biology and Evolutionからでることになっている。この書物の内容は世界的に見ても第1級の水準にあり、わが国の進化研究におけるリ-ダ-シップがうかがえるものである。日本人の研究はとかく世界的に評価されない傾向があるが、それはレベルの低さではなくコミュニケ-ションの貧しさによる所が大きい。この点で、本書の出版は大いに役立つものと考えている。
また、この重点領域研究の期間中に多くの学生や若い研究者が進化の問題に深く興味を持つようになってきたことを付記したい。科学の影響は今日の世界ではもちろん無視できない。したがって社会的な要求にこたえる科学の重要性は明かである。しかし、進化という問題を考えることの重要性を強調しておきたい。進化学という実用性に乏しい学問分野が、実は社会のあり方や我々の生き方を探る上で極めて貴重な哲学的意味を与えてくれるからである。生物学における最近の技術の発展には目ざましいものがあり、社会的にも脚光を浴びるものが少なくない。しかし、本当の最近の生物学における革新はもっと基礎的で地道な生物進化の研究にみられるのである。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Motoo Kimura: "Some models of neutral evolution,compensatory evolution and the shifting balance process." Theoretical Population Biology. 37. 150-158 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Tomoko Ohta & Hidenori Tachida: "Theoretical study of near neutrality.I.Heterozygosity and rate of mutant substitution." Genetics. 126. 219-229 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Naoyuki Takahata: "A simple genealogical structure of strongly balanced allelic lines and transーspecies evolution of polymorphism." Proceedings of the National Academy of Sciences,U.S.A.87. 2419-2423 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] J.Klein & N.Takahata: "The major histocompatibility complex and the quest for origins." Immunological Review. 113. 5-25 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] T.Gojobori,E.N.Moriyama & M.Kimura: "Molecular clock of viral evolution,and the neutral theory." Proceedings of the National Academy of Sciences,U.S.A.87. 10015-10018 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] R.Kondo,Y.Satta & S.I.Chigusa: "Incomplete maternal transmission of mitochondrial DNA in Drosophila." Genetics. 126. 657-663 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Edited by Takahata,N.& J.F.Crow: "Population Biology of Genes and Molecules." Baifukan,Tokyo, 370 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Edited by Kimura,M.& N.Takahata: "New Aspects of The Genetics of Molecular Evolution" Japan Scientific Societiec Press,Tokyo/SpringerーVerlag,Berlin, 322 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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