研究課題/領域番号 |
02301012
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中谷 和夫 東京大学, 文学部, 教授 (00026816)
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研究分担者 |
市川 伸一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70134335)
下條 信輔 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183837)
高野 陽太郎 東京大学, 文学部, 助教授 (20197122)
立花 政夫 東京大学, 文学部, 助教授 (60132734)
二木 宏明 東京大学, 大学部, 教授 (10073074)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 感性情報処理 / 問題解決 / PDPモデル / 自己回帰モデル / 運動視 / グルタミン酸 / 網膜双極細胞 / go / nogo反応 / 情報処理心理学 / 感性 / GO / NOGO反応 |
研究概要 |
心理学における情報処理アプロ-チは、視覚と聴覚を中心とした感覚過程に関わる注意や記憶のメカニズムの研究に端を発する。やがて計算機科学の進展に呼応して思考・言語などの高次の精神過程を記号処理過程として研究する認知科学あるいは認知工学のアプロ-チが興り、知覚や記憶の初期過程を並列処理の過程として研究する立場との間に乖離が生じた。そして現在、脳は並列分布処理と記号処理のそれぞれの長所を巧みに組み合わせて複雑な情報処理を行っていると云う考え方が一般化し、記号処理を理性的問題解決の過程に、並握分布処理を感性的問題解決の過程に対応づけるなどして両者を統合的に理解しようとの試みが進められている。本研究はその一環として位置づけられるものである。 しかし、問題解決過程を2分法的に捉えることは単純のために歓迎されるが、その両極端の間をどのように結ぶべきかはまだ十分検討されていない。純粋に理性的な思考による問題解決が現実の人間世界に存在しないことは既に明かである。これに対する感性情報処理は、あたかも線形モデルに対する非線形モデルの如く余りに多義的である。 われわれは、人間の問題解決過程が現象的に記号処理として表明されているとき、脳においては並列分布処理が行われているとの仮設を立て出発点とした。これの検証を軸として記号処理と並列分布処理とにおける心的表現の特徴的相遠、同時性と継時性との関係などについて検討することが最初の研究目標とし、4班の構成で実験的研究とシミュレ-ション研究を行った。 基礎班では、運動視の過程について自己回帰モデルを構成し、従来の知覚モデルの統合を試みた。またprologのシステムを走らせ、人工的システムと人間との推論過程の比較を行い、さらに基本的モデルとして遺伝子アルゴリズムについて検討を行っている。 知覚班では、網膜双極細胞と神経節細胞との間の化学伝達物資がグルタミン酸であることを同定した。 認知班では、PDPモデルによって落体運動の直感的理解とその法則化の過程をシミュレ-ションした。 行動班では、サルに適切次元が次々に変化する課題を与え、go/nogo反応を指標にして解決過程を分析し、関与する脳のユニットの解明を行った。
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