研究課題/領域番号 |
02301020
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
米村 昭二 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (40032742)
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研究分担者 |
櫻井 義秀 北星女子短期大学, 講師 (50196135)
平川 毅彦 愛知県立大学, 文学部, 講師 (80189828)
都築 一治 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (20180028)
関 孝敏 (関孝 敏) 北海道大学, 文学部, 助教授 (30105647)
浅井 美智子 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助手 (10212466)
高重 進 岡山大学, 教育学部, 教授 (70032745)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 社会移動 / ライフヒストリ- / 養子 / 屯田兵 / 職業間移動 / 地域間移動 / 軍隊位階 / 政治参加 / 北海道移住 / 定着過程 / 社会階層 / 一般移住民 / 屯田兵村 / 村落構造 |
研究概要 |
上湧別屯田兵村、当麻屯田兵村の社会移動とその歴史的展開について検討し、入隊前の職業・学歴が入隊後の位階決定に大きく作用していることが判明した。明治25年時の屯田兵の社会経済的背景が詳細に解明できたことは、大きな収穫であった。しかも屯田兵解体後の社会移動に関しては、この軍隊時代の位階の影響が大きく、経済的地位の上下は、明治・大正期ともこれによって決定されていた。さらに職業間移動についても、下士官層は早い時期から頻繁に職業、地域移動を繰返し、知的労働力を求める北海道労働市場の需要に応じて、村長をはじめとする管理職部門に進出し、地域移動も周辺町村を中心に旭川・道内市部に移動している特徴があった。一方、1等兵・2等兵などの兵卒層は転業しても農業、自営業といった独立部門に進出し、職業移動は水面的で、周辺部農村への狭い地域間移動に留った。このように軍隊時代の位階に応じて両極に分れた職業間地域間移動の発見が本研究の成果であった。 さらに北海道は移動型社会であるといわれているが、その実態を検討すべく、Y開放性系数を当麻屯田兵とその2世について検討したところ、0.6の開放性系数が算出され、明治・大正・昭和前期の3期間、すでに当麻が移動型社会であることが実証された。なお、これと並行して政治的地位の問題についても、歴史的検討がなされた。 平川もまた屯田兵村を扱い、屯田戸主の家的側面を解明すると同時に逆に擬制的親子関係である養子制度が、動動化する屯田兵村のなかで、禁止されていた土地所有権移転を裏側からサポ-トする役割を果していたことを、検討している。 さらに櫻井のライフヒストリ-研究は、北星学園女教師について詳細な事例分析をしており、一般化は今後の課題であるが、一事例を追求したことは、この面でのパイオニアとして注目されてよい。
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