研究課題/領域番号 |
02301026
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
十時 嚴周 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (60051083)
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研究分担者 |
笠原 清志 立教大学, 社会学部, 教授 (80185743)
柄澤 行雄 常磐大学, 人間科学部, 助教授 (70161255)
田中 重好 弘前大学, 人文学部, 助教授 (50155131)
有末 賢 慶應義塾大学, 法学部, 助教授 (10151177)
藤田 弘夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60156875)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 中国社会 / 中国都市社会 / 社会主義 / 社会主義改革 / 二元社会構造 / 「単位」 / 「小城鎮」 / 日本と中国 / 社会変動 / 都市研究 / 比較研究 / 都市社会 / 都市生活 / 都市と農村 / 単位制度 |
研究概要 |
中国の都市を議論するに先立ち、現在の社会主義国の転換の世界的流れと、その中における中国社会の位置について論じた。次に、中国の都市社会に視点をすえて、近代以降の中国社会の変動を論じた。伝統的に城壁に守られた政治権力の拠点であった中国都市は、農村とは別の世界を構成してきた。中国社会主義建設の過程で、都市と農村との「二元社会構造」が戸籍制度により政治的に形づくられてきた。こうした構造を前提しながら、中国政府は生産責任制導入や、「小城鎮」の建設を進めてきた。こうした改革は、中国社会の根幹を構成している二元社会構造を否定する方向には向かれなかったが、藤田説では、今後、それを「切り崩しながら」都市化が進行するであろうと、判断している。 こうした予想とは反対に、田中は、小城鎮論において、二元社会構造の存続を基本に据えて、中国社会の発展を論じている。郷鎮企業が市場経済の一部導入に実質的意味を賦与する形で発展してきた体制改革のホ-プである。しかしながら現在、郷鎮企業は環境問題や資本主義的市場の未成熟など、多くの問題を抱えている。 中国社会の根幹をなすものは「単位」である。中国都市社会は「単位」の複合社会であるとも言える。1980年代後半になって、中国の経済改革の中心が農村から都市に移行してくるに従って、工場の生産責任制の導入と都市行政制度の改革が進らられている。ここでクリティカルな論点となるのは、「単位」体制がどの程度改革されるのか、それを前提として改革が進むのかという点である。この問題に関して、都市の経済改革が経済の領域ばかりではなく、行政機構の改革を導いている現状を検討し、都市内部の地域社会の形成の可能性を検討した。 中国社会の将来の社会変動にとって、最も重要な分岐点は、二元社会構造と、「単位」社会がいかに変化するかにかかっている。
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