研究概要 |
1.外国における教師教育改善に関して,アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ソ連邦等及びOECD・CERIの文献・資料を,(1)教師の実践的能力,(2)カリキュラム構造と方法論,(3)理論と実践との統合過程としての教育実習と教員研修,等の視点から分析・整理し,改善の目的,プログラムの内容と方法,さらには今後の課題を明らかにした。 2.国内における教育系大学・学部の教育実習改善の動向を各大学の先行研究や事例をもとに,とくに教育実習,教科教育,教職との関連を分析・整理し,日本の教育系大学・学部の教育実習を中心としたカリキュラム改善の動向を研究資料としてまとめた。 3.教師の実践的能力の基準の解明と設定:教師の実践的能力を,(1)授業設計能力,(2)授業実施能力,(3)学級経営能力,(4)授業分析・診断能力の4つのカテゴリーに分類し,それらの内容を設定し,さらに具体的に授業の設計・実践分析・評価に必要な教授スキル(Teaching Skill)とのネットワーク構造を明らかにし,これによって教師の習得すべき実践的能力のリストを設定し,さらに目標ごとに「教育実践の手引」の枠組みと章・節だてを作成した。 4.理論と実践の統合の場としての教育実習を位置づけ,その事前教育(30時間,2単位),実習中(3〜8週間),事後教育(30時間,2単位)のプログラムの標準モデルを開発した。各プログラムは,テキスト(印刷教材)と授業の典型的場面のビデオテープによって構成され,その内容方法論として教授スキル,授業分析,マイクロティーチング,ゲーム,シミュレーションに関する先行研究をふまえて遂行し,東京学芸大学,上越教育大学,新潟大学で開発・試行した。また,これまで研究開発した研究資料を冊子として取りまとめ,関係研究者・機関に配布した。
|