研究課題/領域番号 |
02301048
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学
|
研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
宮本 袈裟雄 武蔵大学, 人文学部, 教授 (40015889)
|
研究分担者 |
谷口 貢 二松学舎大学, 文学部, 専任講師 (90227223)
鈴木 正崇 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (10126279)
佐野 賢治 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (90131127)
真野 俊和 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (10171076)
佐藤 憲昭 駒沢大学, 文学部, 教授 (50102687)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | 民俗宗教 / 民間宗教者 / 新宗教 / 神楽 / 憑物信仰 / 漁業信仰 / 講集団 / シャ-マン / 龍神信仰 / 荒神信仰 / 巡礼 / 憑き物信仰 / 家の神 |
研究概要 |
本研究は、地域社会に展開する民俗宗教の実態把握を通して、西日本地域と東日本地域における民俗宗教のや類似点や相違点を明らかにするために、西では山陰地方(島根県出雲・松江市とその周辺)、東では三陸地方(岩手県宮古市・釜石市とその周辺)の現地調査を実施して、両地域の比較研究を行なった。以下、研究成果の概要をまとめておきたい。 (1)民間宗教者の活動。三陸地方では、かつて天台系の本山派修験の活躍がみられ、その衰退が著しいものの影響は現在まで続いており、とりわけ巫女と修験者の関わりが注目される。また成座過程からみて召命型と修行型の異なるタイプのシャ-マンが併存している。山陰地方では、陰陽道系の宗教者、社人・太夫の活動がみられる。 (2)新宗教の動向。山陰地方では、出雲神奈備教、天照円納教、聖輪会など、いくつかの新宗教の発生がみられ注目される。三陸地方では、出雲大社教の再組織化がなされつつある。 (3)神楽。三陸地方には黒森神楽、山陰地方には大元神楽がみられ、湯立神事と託宣儀礼が行なわれている。黒森神楽では巫女、大元神楽では託太夫が重要な役割をはたしている。 (4)憑物信仰。山陰地方にはキツネ憑きの信仰があり、憑き筋の形成がみられ社会的緊張をうみ出している。三陸地方にはイヅナ憑きなどの信仰がみられるものの憑き筋の形成はみられない。 (5)漁業信仰。三陸地方と山陰地方の沿岸部に、龍神信仰に基づく神興の海上渡御の船祭りがみられる。また三陸地方では金華山信を、山陰地方ではエビス信仰が漁業信仰として展開している。 (6)その他。島根県平田市の臨済宗一畑寺では、薬師信仰を中心とした参拝講が西日本の各地に広がりをみせており、既成仏教の新しい動向を示している。また出雲地方では、巡礼の新しい動きがみられる。
|