研究分担者 |
大石 学 名城大学, 法学部, 助教授 (10183758)
保立 道久 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (70092327)
池上 裕子 成蹊大学, 文学部, 助教授 (70232171)
木村 茂光 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90134759)
佐藤 和彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80013275)
岩田 浩太郎 山形大学, 人文学部, 講師 (30184881)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
近世都市「江戸」の成立過程とその特質を究明するため,中世において流通・商業の拠点となった諸地域と,近世都市江戸の都市的特質をもつと考えられる諸地域を選択し,その研究と調査を行った. 調査地と文献史料との関係が十分でないので,詳細については今後の研究に期待するしかないが,ほぼ次のような諸点を確認できたと考える. (1)中世の市・町場成立の条件として,時宗寺院の存在が深く関係していると考えられる点。これは初年度の伴野荘,次年度の川越・品川,三年度の甲府の研究・調査で確認できた.街道・町場・市・時宗寺院の配置とその関係は,中世都市を究明する上で,重要な鍵となろう。 (2)近世都市江戸の成立を考える時,品川港と浅草の位置づけが重要であること。今回はこの点について意図的に追求してみたが,史料不足もあって十分確定できなかった。中世において品川港がかかえていた供給先はどこか。また,品川港に代って浅草が重要視されるようになるのは何故か。また,浅草の整備と都市江戸の形成との関連など,残された課題は多い。 (3)これは本研究の当初から心配していたことだが,都市の中世から近世への移行は十分解明できなかった。17世紀前半の文献史料の過少性は予想していたよりはなはだしく,とくに城下の移行・形成についての史料は非常に少ない。三年度からは絵図などの調査も行ったが,今後はその方法についても検討していく必要があろう。 以上,研究はその緒をみつけたにすぎないが,基礎的な事実の解明と調査はなしえたと考える。これらの成果を基礎に,研究分担者が各自の責任において研究を進めることが重要である。
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