研究課題/領域番号 |
02301093
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三木谷 良一 神戸大学, 経済学部, 教授 (30030670)
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研究分担者 |
本多 佑三 神戸大学, 経営学部, 教授 (80137249)
藤原 賢哉 広島大学, 経済学部, 助教授 (30229067)
宇惠 勝也 (宇恵 勝也) 流通科学大学, 情報学部, 講師 (10203423)
地主 敏樹 神戸大学, 経済学部, 助教授 (60171089)
石垣 健一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40047486)
山上 宏人 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (00094524)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 金融政策 / 金融制度改革 / 自由化 / 国際比較 / マネタリズム / ケインジアン / 新しい古典派 / 新しいケインジアン / 金融システム / 金融革新 / 金融制度改革(自由化) / 金融市場統合化 |
研究概要 |
最終成果は『世界の金融自由化と金融政策(仮題)』にまとめられて、刊行される。この本は三部構成となっている。第一部は理論篇であり、金融政策に関する諸理論のサーヴェイと、最新の研究成果がまとめられている。マクロでは「貨幣の中立性」に焦点があてられ、ケインジアン-マネタリスト論争から、最新の新しい古典派と新しいケインジアンの論点までが網羅されている。ミクロの章では「情報の非対称性」の概念を中心とし、負債契約の最適性や信用割当・銀行取り付けなどが、理論的に扱われている。国際協調に関する章では、ゲーム論の手法を用いて、マクロの国際協調がむしろマイナスの結果をもたらしかねないケースが強調され、ミクロレベルではBIS規制の正当性が主張されている。 第二部は各国篇であり、日・米・加・独・仏・英・豪の先進7ヶ国とECの金融制度改革の進展と、それに対応した金融政策の変遷、及びマクロ経済のパフォーマンスが、明確な時代区分の下にまとめられ、評価されている。第三部は、第二部の内容を比較総合するパートである。まず、金融政策の最終目標に関しては、70年代半ばまでの雇用重視、それ以降80年代半ばまでのインフレ重視と、各国にほぼ共通した傾向がみられた後、現在は情勢に応じて重点目標を変える折衷派グループとインフレ重視グループに分かれていることが指摘された。政策の運営方法も、ほぼ同じ時代区分で、自由裁量方式からルール方式へ移行し、現在もインフレ重視グループは貨幣集計量重視のルール方式を採用してはいるものの、プラグマティックな裁量方式へかなり近づきつつあると、主張されている。折衷派の裁量方式とインフレ重視派のルール方式との間では、マクロ経済のパフォーマンスに関しては、現在のところ顕著な差異は見られない。両者の優劣は、将来の外的ショックによって明らかにされるであろう。
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