研究課題/領域番号 |
02302013
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東北大学 (1991) 東京大学 (1990) |
研究代表者 |
谷口 義明 東北大学, 理学部, 助教授 (40192637)
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研究分担者 |
土佐 誠 東北大学, 理学部, 教授 (50022728)
若松 謙一 岐阜大学, 教養部, 教授 (30021801)
祖父江 義明 東京大学, 理学部, 教授 (10022667)
藤本 光昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022580)
石田 恵一 (石田 〓一) 東京大学, 理学部, 教授 (80012839)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 銀河 / 銀河中心核 / バルジ / 活動銀河核 / 星生成 / 恒星系力学 |
研究概要 |
SO銀河の起源の解明は銀河の構造と進化の問題に非常に深く関わってきており、E.ハッブルが1936年に楕円銀河と円盤銀河の中間的な存在としてSO銀河というカテゴリーを提唱して以来数10年にわたって銀河進化説と(内因説)と銀河及び銀河間物質との相互作用説(外因説)の論争が続いてきている。しかしながら、70年代から80年代初頭にかけて精力的に行われた研究でも明快な結論は出なかった。この原因はSO銀河に関するデータが質、量ともに不足していたことにある。 近年、各波長域のデータの質が向上し、それに伴い膨大なデータの取得が可能になってきた。そのおかげで、SO銀河の観測もかなり進展し、巨大HIガスローブの発見、ボックスバルジの発見、またホットな銀河間ガスのデータの集積などの観測事実から、SO銀河の起源として銀河衝突、合体及び銀河間ガスとの相互作用説が再びクローズアップされつつある。したがって、今が世界に先駆けてSO銀河の起源の問題を考え直す絶好のチャンスであると考え、本総合研究を行った次第である。 本研究ではまず平成2年度に現在まで得られているSO銀河の観測事実を体系的にまとめ、SO銀河の起源と進化の問題を銀河の力学構造、化学進化、及び環境効果の側面から多角的に検討した。その結果以下の点が明らかにされた。 (1)SO銀河の構造は非常に多様で少なくとも銀河衝突などのsecond eventがその構造形成に関与していると考えられる。 (2)SO銀河の絶対量(光度、質量など)は必ずしも楕円銀河と早期型渦状銀河の中間的な値をとらない。したがって、楕円銀河と渦状銀河のtransition typeとするHubbleの考え方ではSO銀河を本質的に理解できない。 (3)SO銀河の起源として初期条件説及び環境効果説のいずれをとるかは極めて難しい。これは銀河衝突などの環境効果が有効に働くのは銀河形成期であるため初期条件と環境効果のどちらがdominantかを判断しずらいからである。 以上のまとめをもとに平成3年度にこれらの観測事実に矛盾しないSO銀河の統一モデルを考察した。我々の得た結論を以下に示す。 (1)10^<10>年前に起こったsecond eventによって楕円銀河及びSO銀河のバルジの形成が促進された。このsecond eventは(a)銀河の合体と(b)銀河衝突に起因するnuclear starburstの2種類に大別される。 (2)10^9年前に起こったsecond eventによって楕円銀河、渦状銀河及びSO銀河は多様な構造を形成している。これらのsecond eventではgasを含む系が関与してるので、その時点でgasを大量に含まない楕円銀河とSO銀河でその影響が強くでる。またこれらのsecond eventは渦状銀河及びSO銀河の円盤部に力学邸な影響を与え、棒状構造の形成及びその散逸過程を経て大きなバルジを持つ早期型銀河へと移行していく。
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