研究分担者 |
畑 浩之 京都大学, 理学部, 助手 (70164837)
松岡 武夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90022722)
中西 襄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (30027362)
菅本 晶夫 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70132686)
石川 健三 北海道大学, 理学部, 教授 (90159690)
柏 太郎 九州大学, 理学部, 助手 (30128003)
米谷 民明 東京大学, 教養学部, 助教授 (10091521)
木村 忠彦 千葉大学, 理学部, 教授 (70009603)
佐藤 行 大阪大学, 理学部, 助教授 (50028122)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1992年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1991年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1990年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
平成2年度から三年間にわたる本研究計画の研究実績は,別冊の研究成果報告書に見られるように広汎多岐にわたっている。ここではそれらのうち顕著なものについて概要を述べるに留める。 1.弦の場の理論に関しては,畑は,ユニタリ性とBRS不変性の両方を満足するように量子論的作用積分を決定する方法を与え,また,原幾何学的弦場理論に於いて一般座標不変性の存在を初めて証明した。九後らは,弦に特有な標的空間双対性が本質的には弦の場の理論のゲージ対称性に含まれることを明らかにした。 2.弦の理論の非摂動論的取扱いに関しては,1次元以下の場合に行列模型などの手法で大きな発展を見た。米谷らは,1次元以下の弦の理論および2次元量子重力に対し最小作用原理による定式化に成功した。菅本らは弦の場の理論に於ける発展方程式を明らかにした。弦理論の構造という点からは,坂本はトーラス上の弦とオービフォルド上の弦とが同等であるという注目すべき発見をした。梁らはcoset型位相共形場理論を詳細に論じ,隠れたフェルミ的対称性の存在を発見した。 3.量子重力理論としての側面からの研究も活発になされた。菅本らは位相的Einstein重力理論を構成し分析した。中西らは,量子重力理論を演算子型式のまま解く方法を開発し,それを2次元の場合に適用し厳密解を得ることに成功した。白藤孟志らは,Riemann-Cartan時空でのスピンの運動を一般的に議論した。 4.弦理論の素粒子統一模型への応用として,松岡らはカラビ・ヤオ多様体へのコンパクト化に基づく幾つかの模型で湯川結合定数,小林・益川行列などを調べた。大坪らはZ_NやZ_NXZ_Nオービフォルド模型に於いて湯川結合定数の構造および対称性を破るWilson lineの可能なとり方について詳細な分析を与えた。
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