研究分担者 |
川上 紳一 岐阜大学, 教育学部, 助手 (80183036)
海保 邦夫 東北大学, 理学部, 助手 (00143082)
尾崎 統 統計数理研究所, 教授 (00000208)
大野 照文 京都大学, 理学部, 助教授 (40194245)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10113094)
|
研究概要 |
この総合研究は,非常に巾広い学問分野にまたがる総合研究であるので,初年度には,分担者・協力者が各々の分野での問題点を理解しあうことを第一目標とし,平成2年11月に第1回研究会と,引き続いて縞状堆積物の見学調査をする現地討論会を開いて,総合研究のスタ-トとした。実際の共同研究のワ-キンググル-プとしては,(1)堆積物の縞状構造,(2)古生物化石に残る縞状構造,(3)地磁気変動,(4)気候変動地球回転を含む数理モデル,の4研究グル-プを作った。初年度末の平成3年3月には,小規模のワ-クショップを持って,この総合研究の実践的な課題をまとめた。2年度には,平成3年10月に,再び縞状堆積物の見学調査会を持って問題点を明らかにし,平成3年12月に研究成果発表会を開いて,成果のまとめをした。その中で特に,地磁気変動グル-プの成果として,地磁気変動の中に大気,海ーマントルー核系の変動との相関があることの発見,気候変動・地球回転を含む数理モデルのグル-プの成果として,太陽活動と地球変動に共通して見られるリズムの倍周期構造の発見とは,地球の多圏相互作用の研究を大きく前進させる重要な研究成果と云える。堆積物の縞状構造のグル-プも,多くの実例のまとめと縞状構造の成因,古環境の推定について新しい知見を出した。古生物グル-プの桂化木の年輪を使う方法もユニ-クな研究で,今後の発展が期待できる。共通課題として縞状構造の自動読み取り装置は,設計プランが進行中である。これらの成果は、報告書「リズムと縞縞(I)」及び「同(II)」として刊行された。又,月刊地球の特集号としても印刷された。更に,縞状構造のカラ-写真集の「律紋図譜」を作り 自然のリズムを視覚的にとらえる好資料として,特に地質学以外の分野の研究者との交流に役立てている。
|