研究課題/領域番号 |
02304001
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 常行 九州大学, 理学部, 教授 (10108649)
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研究分担者 |
石和 貞男 (石和 貞夫) お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20017205)
戸張 よし子 東京都立大学, 理学部, 教授 (20087125)
高畑 尚之 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 教授 (30124217)
太田 朋子 国立遺伝学研究所, 集団遺伝系, 教授 (80000256)
木村 資生 国立遺伝学研究所, 集団遺伝系, 名誉教授 (20000226)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
1992年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1991年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1990年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | 分子集団遺伝学 / 進化 / 中立説 / 適応進化 / 多重遺伝子族 / ショウジョウバエ / 分子進化 / 集団遺伝学 / 調節遺伝学 / DNA多型 / 系統樹 / 中立モデル / MHC / トランスポゾン / ミトコンドリアDNA / 多重遺伝子 / MHC遺伝子 |
研究概要 |
最近の十数年間に、分子生物学技術に飛躍的な発展が見られ、生物進化の研究にも大きな変化が訪れている。実際、本研究では、山崎・戸張・石和・日下部・高野らはショウジョウバエで、宮下は野生植物で、自然集団における遺伝的多型の量や、遺伝子構造とその変化等を調べ、生物進化の様相を分子レベルで明かにしつつある。木村の中立説から明らかなように、分子進化に関するこれまでのデータの多くは選択に関して中立な遺伝子の置換によって起こってきたという仮説と矛盾のないものであった。我々の最近の研究では、動物の行動に関する遺伝子(period)、誘発可能な酵素遺伝子(amylase)では、特に種間のアミノ酸置換に関して適応進化が予想以上に重要な働きをしてきたという実験的証拠が得られている。また、広吉はイエバエの性決定因子に関して面白い現象を発見し、それを分子レベルで理解すべく実験を進めている。原田は生物進化を理解する上で非常に重要なパラメーターである自然突然変異率の推定実験を行い、アイソザイムの世代あたり、遺伝子座あたりで7x10^<ー7>という値を得ている。 理論的な研究では、木村の中立説の発展(木村・太田・田嶋・舘田・飯塚)、分子系統樹の作成に関する研究(田嶋)、多重遺伝子族の進化機構(太田・舘田)、多型遺伝子の維持機構(高畑)等に大きな進展が見られた。本研究では集団遺伝学の理論的研究と分子進化に関する実験データの融合、適応進化の分子機構の理解等に力を注いできたが、現在やっと表現型レベルでの進化を分子レベルで理解する糸口が見えてきたところである。このふたつの事柄が統一的に理解できる時も間近であるという感を強くもてるようになってきた。
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