研究課題/領域番号 |
02304010
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
山上 健次郎 上智大学, 理工学部, 教授 (50011474)
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研究分担者 |
横沢 英良 北海道大学, 薬学部, 教授 (90012765)
野村 晃司 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (30073026)
井内 一郎 上智大学, 理工学部, 助教授 (10011694)
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
福島 和 (灰野 和 / 福島(灰野) 和) 東京都立大学, 理学部, 助手 (70087138)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1991年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1990年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 卵外被 / 卵(黄)膜ライシン / 孵化酵素 / 受精 / 孵化 / タンパク質の構造 / プロテアソーム / 卵膜硬化 / プロテアーゼ / 卵膜タンパク質 / プロテオソ-ム / 卵膜 / 受精膜 / プロテア-ゼ |
研究概要 |
本総合研究の当初の目的は次の3つに大別された。すなわち、(1)卵黄膜ライシンの精製と性質を明らかにすること、(2)孵化酵素の精製と性質を明らかにすること、及び(3)両者の基質である卵(黄)膜の構造をしらべ、その溶解機構を解析することであった。最終年度にあたって本研究班の成果をふり返ってみると、ほぼ当初の目的を達成した様に思われる。(1)に関しては、海産無脊椎動物の非酵素性ライシンと酵素性ライシンの研究に大別される。前者については既にバテイラについて、そのユニークな作用機構が解明され、又一次構造も明らかになっているが、本研究において、アクビのライシンが二種のタンパク質より成り、それらが異なった作用により卵黄膜を溶解することが判った。又cDNAクローニングにより近縁種のライシンの構造比較が可能となった。後者に関してはホヤの酵素性ライシンの本体の解明が進み、キモトリプシン様性質を持つもの、又プロテアソームと考えられるものなどが見出されてきた。(2)については基質特異性がウニ酵素(エンベリシン)について詳細にしらべられ、魚類(メダカ)孵化酵素の2成分のcDNAクローニングの結果から酵素の一次構造が解明された。ウニと魚類の孵化酵素の異同を論ずる事が出来る様になった。メダカ酵素では発生過程における遺伝子発現と酵素形成もしらべられた。哺乳類(ハツカネズミ)孵化酵素についての阻害実験が行われ、トリプシン阻害剤に感受性を持ち、トリプシン様酵素の可能性がある。(3)ライシンと孵化酵素に共通の基質となる卵黄膜の構造に関しては、ウニと魚類において主に硬化の際の架橋構造と構成サブユニットの分析が行われ多くの知見が得られた。 以上の結果を総括すると個々の材料についての知見が増え且つ深まったばかりでなく、それらの間の異同が可成り明らかとなり、不溶性被膜である卵外被溶解の生物学を目指した当初の目的は充分に達成された。
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