研究分担者 |
縣 和一 九州大学, 農学部, 教授 (00091364)
津野 幸人 鳥取大学, 農学部, 教授 (00036287)
石原 邦 東京農工大学, 農学部, 教授 (70014925)
中世古 公男 北海道大学, 農学部, 教授 (80001452)
長南 信雄 茨城大学, 農学部, 教授 (90005603)
山崎 耕宇 東京大学, 農学部, 教授 (30011878)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1990年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
土壌-根系-地上部-大気間を循環する水の過不足に対して,作物は根系-地上部の形態を変化させ発育する.その実態に関して本研究は以下のことを明にした;(1)バレイショ品種間における根の生長並びに葉に対する根の割合の差異は,主として地下部の遺伝的特性に支配され,環境条件による変化は比較的小さい.(2)水稲根系が産生し,地上部へ転流する結合型サイトカイニンの多小は,葉の老化に大きく形響する.(3)植物生長調整物質の一種であるトリアコンタノールは,イネの生育初期は根の生長を足進し,生育後期は穂への窒素転流の制御を介して葉の老化を抑制する.(4)葉緑体周辺網伏体はC_3植物よりもC_4植物で発達し,乾燥ストレスに対する一種の適応形態である.(5)トウモロコシの発育において雄穂の分化開始は,側芽も最終形態を規定する.(6)シカクマメを葡伏させると光合成産物に対する茎のシンク能は低下し,塊根形成を促す.(7)光合成速度の高いカンショは,細胞膜安定性が高いため,葉肉と表皮細胞の水ポテンシャルが常に高く,このことが気孔開度やCO_2固定の生理的活性を高く維持し,光合成速度を高める原動力である.(8)水稲根の出液速度のQ_<10>は2.1であり,側根密度と極めて高い正の相関関係をもつ.(9)各種のストレスを与えて水稲根系の呼吸活性を低下させ葉身への水供給を減少させると,気孔開度の減少と並行して葉内の水分も過剰となり純光合成能も低下する.(10)耐旱性程度の大きいイネ品種は,種子根の伸長速度と貫入深度が優れる.(11)イネの水通導低抗に関与する導管直径,種子根長やL型側根数など多くの根形質の遺伝率は,約60-80%である.(12)過湿・乾燥土壌における根の適応戦略において,根の下皮,皮層内厚壁組織や内皮の木質化の向頂的発達パターンは,根系機能を支える重要な可塑的形質の一つである.
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