研究分担者 |
邨田 卓夫 静岡大学, 農学部, 教授 (80022044)
秋元 浩一 岐阜大学, 農学部, 教授 (20021727)
茶珍 和雄 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60081519)
土田 広信 神戸大学, 農学部, 教授 (60031184)
稲葉 昭次 岡山大学, 農学部, 教授 (90046491)
兵藤 宏 靜岡大学, 農学部, 教授 (40023452)
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研究概要 |
1.市場流通の実態調査:8月下旬〜9月上旬に2回,東京,名古屋,岐阜,大阪,神戸,岡山の各卸売市場で,レタス,ホウレンソウ,キュウリ,トマトを中心として各種青果物の品温及び箱内空気組成の調査を一済に行った。葉・花菜類はほとんど予冷されいてるが,その後輸送工程での保冷が不十分であり,入荷時の品温は20℃前後のものが多いことが明らかになった。また内装としてポリエチレン包装が使われる場合,空気組成の変化が大きくなることがあり,O_213〜17%,CO_23〜10%にもなることが確認された。 2.文献の統計的解析による適正流通条件の設定:過去の研究成果から適正流通環境を読み取り,環境要因を独立変数,品質保持性を従属変数として重回帰分析を行い,流通日数ごとに適正温度の推定が可能であることを,トマトの18の文献を基にして実際に示した。研究成果の統計的利用の一つのサンプルになるものと考えられる。 3.環境要因と品質保持性に関する基礎研究:わが国の青果物流通実態を踏えた観点からみて欠けていると思われる基礎研究を,振動・衝撃環境,温度環境,空気組成環境,エチレン環境について,分担者相互の密接な連係のもとに実施し,多くの知見を得た。 4.わが国の青果物流通技術改善の方向性についての提言:以上の成果を総合的に考察し,わが国の現行流通技術の評価とそれに基づく技術改善の基本的方向について,次のような提言を行った。(1)予冷は独立した低温技術ではなく,その後の輸送工程での保冷技術と一体化して考えること。(2)振動・衝撃の可能なかぎりの軽減。(3)常温流通体系の中での低温の利用方法として10〜15℃程度での定温管理のすすめ。(4)高濃度CO_2、低濃度O_2の積極的活用。(5)エチレン生成の防止策と除去策の検討。(6)卸売市場制度改革の必要性。(7)流通関係者への啓蒙活動の重要性。
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