研究課題/領域番号 |
02304019
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
甲元 啓介 鳥取大学, 農学部, 教授 (80032093)
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研究分担者 |
小林 裕和 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (80170348)
柘植 尚志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30192644)
中塚 進一 岐阜大学, 農学部, 助教授 (30109318)
荒瀬 栄 島根大学, 農学部, 助教授 (40127478)
尾谷 浩 鳥取大学, 農学部, 教授 (50032305)
中島 広光 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40144646)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
25,700千円 (直接経費: 25,700千円)
1992年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1991年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
1990年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | 宿主特異的毒素 / Alternaria(アルターナリア) / 病原性遺伝子 / 毒素の生合成経路 / 毒素受容体 / 病原性調節因子 / 細胞膜変性像 / 感染誘発効果 / 環状デプシペプチド / 毒素レセプタ- / 宿主識別因子 / 受容性誘導 / 形質転換ベクタ- / 原形質膜 / アルタ-ナリア |
研究概要 |
植物伝染病における宿主特異性問題の分子機序の解明を目的として学際的研究プロジェクトを3年間にわたって実施した。それは病原菌侵入前に放出される信号因子、宿主特異的毒素(HST)の宿主レセプター結合に始まり、信号伝達、受容性醸成にいたる全病理過程の統一的理解に迫ることであった。その成果を箇条的に記す。 1.新規HSTの純化: AT毒素、ATC毒素、BZR毒素、いもち病菌感染誘発因子 2.HSTの構造解析: トウモロコシ北方斑点病菌レース3が分泌するBZR毒素は4種類の環状デプシペプチドからなり、それぞれの平面構造が決定された。また、タンゼリンのbrown spot病菌の生成するACT毒素I,IIの平面構造も決定された。既報のAK、AF両毒素と同様にw-エポキシデカトリエン酸構造をもつ。 3.構造-活性相関:BZR毒素は単独では感染誘発効果は無いが複数個共存すると活性が発現する(Cotoxin)。ACT毒素IIはIの5"-デオキシ体で、ナシに対する毒素が増加していた。構造類似のAK、AF、ACT毒素の選択毒性(感染誘発効果と壊死形成)と生産菌の宿主範囲が完全に一致し、HSTは宿主識別因子である。 4.生合成: AK、AF、ACT毒素の生合成経路が明らかとなった。また、環状デプシペプチドAM毒素の生合成酵素が部分純化された。 5.毒素作用のカスケード様過程の生理学的、生化学的、微細構造的解剖が進展し、細胞死の過程と受容性誘導過程との関係も明らかとなった。 6.病原性遺伝子: アルターナリアにおける高頻度形質転換系が構築された。遺伝子単離のモデルとして、変異相補により3種のメラニン合成遺伝子(ALM,BRM1,BRM2)を単離した。病原性遺伝子単離のため、AK毒素欠損株を5株作出した。また、野性株からAK毒素生産を制御するプラスミドDNAを単離し、転写産物として3種類のRNAを検出した。 7.毒素受容体: 抗毒素ポリクローナル抗体を作成した。一方、ナシ花弁組織、カルス組織を用いてAK毒素のレセプターを探索し、感受性細胞の原形質膜に特異的に存在する蛋白質を検出した。
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