研究課題/領域番号 |
02304023
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤井 龍男 京都大学, 農学部, 助教授 (90026625)
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研究分担者 |
柿原 道喜 九州大学, 農学部, 教授 (10038333)
永森 通雄 高知大学, 農学部, 教授 (60036704)
片桐 成夫 島根大学, 農学部, 教授 (00032649)
杉浦 孝蔵 東京農業大学, 農学部, 教授 (90078105)
相場 芳憲 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014944)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1990年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 集約林業 / 粗放施業 / 低コスト育林 / 混交複層林 / 天然更新 / 天然生林 |
研究概要 |
本研究は関東から九州までの6地方における施業集約度の異なるスギ、ヒノキ人工林の林分構造や生産力を多面的、総合的に解析し、多様な立地条件と生産目標に適した合自然的森林施業すなわち粗放施業の技術体系を確立しようとしたものである。なお本研究は類似の課題で、昭和60年と61年度に交付を受けた総合研究(A)の不足資料を補完し、新たな資料を加えて総括する目的もあったが、研究期間が単年度ということもあって年度末までにすべての成果をまとめるまでには至っていない。しかしこれまでえられた知見は以下のようである。 目的樹種の自生する地域では、中部、近畿、中国、四国地方のヒノキ及び九州地方の海岸林のアカマツは天然更新が良好で、低コストの更新が可能である。またスギ及びヒノキ人工造林における下刈りは省略もしくは回数を著しく減少させても、ツル伐り、除伐を行なえば成林の可能性がある。近畿地方におけるスギ林では、若齢期の除間伐を行なわなくても優勢木は一様に分布し、その成長や形状比および幹の細り比に差は認められないことから、一般用材や大径木生産を目標とするならば粗放施業が有効である。また四国地方では、集約、粗放施業のいずれでも立木は規則分布する一方、粗放施業林は細長な個体が多く耐風性が弱いものの、材積では劣らないばかりか、直径上位木の比較では直径、樹高の変動係数が小さく、形質がよく揃うことがわかった。 広葉樹林でも関東地方では手を加えずに高蓄積の有用広葉樹林を造る必要がある。一方、養分循環面から解析すると、粗放施業林に枯死葉量とその養分量が多く、手入れ不足の林分の特徴は顕著にみられる。このように極端な低コスト育林すなわち粗放施業も、生産目標によっては地域的に充分成り立ち、技術の体系化が可能であることがわかった。
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