研究課題/領域番号 |
02304034
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
山村 博平 福井医科大学, 医学部, 教授 (90030882)
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研究分担者 |
山本 雅 東京大学, 医科研, 教授 (40134621)
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素研, 教授 (00112227)
武田 誠郎 広島大学, 医学部, 教授 (40030853)
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
中川 八郎 大阪大学, 蛋白研, 教授 (20029937)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
17,700千円 (直接経費: 17,700千円)
1992年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1991年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1990年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | cDNAクローニング / CSK / p60^<src> / インスリン受容体 / PI-3キナーゼ / EGF受容体チロシンキナーゼ / p72^<syk> / 蛋白質チロシンホスファターゼ / CDNAクローニング / P72^<syk> / CDNAクロ-ニング / PI‐3キナ-ゼ / EGF受容体チロシンキナ-ゼ / 蛋白質チロシンホスファタ-ゼI / p60^<cーsrc> / p60^<cーyes> / PDGF受容体 / PIキナ-ゼ / EGF受容体 / 蛋白質チロシンホスファタ-ゼ / 細胞質チロシンキナ-ゼ |
研究概要 |
癌遺伝子産物や細胞増殖因子受容体において見いだされた蛋白質チロシン残基燐酸化酵素(チロシンキナーゼ)はほとんどすべての細胞において存在しその種類も50種以上ほど報告されている。我々はこのチロシンキナーゼについて、発癌、細胞増殖・分化、細胞情報伝達など様々な角度から研究し、相互に研究情報を交換しつつ、チロシン残基の燐酸化反応の生理的な意義の全貌について明らかにすることを試みた。非受容体型チロシンキナーゼに関してはpp60^<c-src>を燐酸化するc-src kinase(CSK)の発見及びそのs r c familyにおける作用の解明、さらにはCSK欠損個体の作製に成功し、CSKの神経系発生過程における重要性を明かにした。pp60^<c-yes>、pp59fynの自己燐酸化による活性化機構が分子間反応によることも明かにした。さらに他のsrc familyチロシンキナーゼに関してfynやlynの標的蛋白質について検討した結果、lynの下流にはp75^<HS1>が存在すること、fynの下流にはVavやPLC-γ、MAPキナーゼ等の存在を示唆することが出来た。新しく見いだされた非受容体型チロシンキナーゼであるp72sykは血小板においてpp60^<c-src>の約半量存在し、生理的なリガンドであるスロンビンによって活性化されるがその活性化解除においてはCa^<2+>の存在が必要である。このCa^<2+>の作用は阻害剤の実験からミオシン軽鎖キナーゼが関与している可能性が強い。増殖因子受容体チロシンキナーゼにおいてはインスリンで細胞を刺激するとインスリン受容体キナーゼ依存性にイノシトール燐脂質3キナーゼの85Kサブユニットのチロシン残基が燐酸化さるれこと及びその部位を明かにした。またインスリン受容体キナーゼはIRS(Insulin-receptor substrate-1)を燐酸化しその燐酸化部位をイノシトール燐脂質3キナーゼの85KのSH2領域が認識する可能性を示唆した。さらに上皮成長因子受容体チロシンキナーゼの下流にG蛋白質に関係するGAP(GTPase activating protein)が存在し、この系が細胞の増殖分化において何らかの重要な役割を演じていることを示唆した。チロシンホスファターゼに関して肝蔵において4種類(L1-4)分離同定することが出来た。そのうちL1は2つのSH2領域をもつ全く新しいホスファターゼであることを明かにした。
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