研究課題/領域番号 |
02304045
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森 昭胤 岡山大学, 医学部, 教授 (20028434)
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研究分担者 |
水川 公直 岡山大学, 医学部, 講師 (40137154)
鈴木 二郎 東邦大学, 医学部, 教授 (10090408)
菅谷 英一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50084710)
山上 栄 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20047004)
三田 隆 産業医科大学, 医学部, 教授 (20076988)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | Elマウス / ポリA^+RNA / cーfos mRNA / グルタミン酸 / アスパラギン酸 / GABA / チロシン / セロトニン / トリプトファン / シタロプラム / mRNA異常発現 / NMDAレセプタ- / GABA作動系異常 / 神経伝達物質 / Ca輸送 / baclofen |
研究概要 |
2年間にわたる上記課題の総合研究の結果、てんかんの発現機構と治療法に関して、次のように成果がえられた。1.Elマウスの脳及び肝では、ポリA^+ーRNA及びNaチャンネルmRNAなどの発現異常があり、これらの異常情報がてんかん原性となる可能性がある。2.放り上げ刺激によりけいれん発作を起こすようになったElマウス(El[S])ではけいれん直後にcーfos mRNAの発現がみられる。3.Elマウスは神経細胞の成長発達分化に障害があり、初代培養神細胞では、けいれん剤を与えなくても膜が興奮状態にある。4.海馬神経細胞の二次性全般化発作発現機構の詳細な検討を行った。5.海馬領域では錐体細胞数及び樹状突起が減少しており、またムシモ-ル結合部位も減少している。6.Elマウス脳においては興奮性レセプタ-に対するリガンド結合能に異常があり、それらの異常がけいれん発作のメカニズムに関与している。7.Elマウス脳においては、GABAー、ノルアドレナリンー及びグルタミン酸ー作動系神経細胞のレセプタ-に異常がある。8.Elマウスの脳内GABA及びGlu作動系は成長・発達及び誘発刺激により変化する。9.Elマウス大脳皮資及び海馬切片からの興奮性及び抑制性神経伝達物資の放出に異常がある。10.チロシン及びトリプトファンの先天性代謝異常(高キヌレニン値、低ドパミン値)が認められる。11.Elマウスにおいては骨から血液へのCa輸送能の低下があり、それにより中枢におけるカルモジュリン依存性のアミン合成が低下し、けいれん発作闘値が低下している。12.ElマウスけいれんをGABA_Bレセプタ-アゴニストのbaclofenやセロトニン再取り込み阻害剤のシタロプラムが抑制する。13.遺伝的及び微生物的にコントロ-ルされたElマウスが維持・繁殖され、今後のElマウスについての研究に充分利用される体制が確立できた。
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