研究課題/領域番号 |
02304049
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大野 重昭 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50002382)
|
研究分担者 |
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (30010094)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
小野江 和則 北海道大学, 免疫学研究所, 教授 (40002117)
望月 学 久留米大学, 医学部, 教授 (10010464)
臼井 正彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (40074570)
十字 猛夫 東京大学, 医学部, 教授 (20009997)
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1992年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1991年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
キーワード | 原田病 / 交感性眼炎 / メラノサイト特異的自己免疫症患 / 疫学 / 免疫抑制治療 / HLAクラスII遺伝子 / 実験的自己免疫網膜ぶどう / 細胞接着因子 / メラノサイト / 免疫抑制剤 / 分子遺伝学 / PCR / EBウイルス / メラノサイト特異的自己免疫疾患 / 細胞障害性T細胞 / HLA / HLAーDNAタイピング |
研究概要 |
これまでの研究実績をもとに、平成4年度は原田病の発症機構について総合的に検討し、以下に述べるような新知見を得た。 1.全国疫学調査により、原田病の有病率は100万対13.8、交感性眼炎では100万対1であり、罹患率は原田病100万対4.9、交感性眼炎100万対0.2であった。類縁症患である交感性眼炎は、穿孔性眼外傷や内眼手術後両眼に発症し、眼症状、眼外症状ともに原田病と酷似していた。 2.原田病の免疫病態を解析するため、患者末梢血単核球をメラノーマ細胞と混合培養した。その結果、対照に比し活動期患者では著明な増殖反応を示し、本病の病態にはメラノサイト抗原が重要な役割をはたしていることが明らかにされた。これらの免疫異常を抑える目的でFk506による免疫抑制治療を行い、良好な治療効果を得た。ただし、他のぶどう膜炎患者にはみられない耐糖態異常が原田病のみにみられ、この点の発症機序について現在検討中である。 3.交感性眼炎患者のHLA-DNAタイピングにより、HLA-DRB1*0405,HLA-DQB1*0401頻度が有意に高く、原田病と全く同一の分子遺伝学的発症因子が見出された。 4.実験動物モデルとしてS抗原によるラットの実験的自己免疫性網膜ぶどう膜炎を作成し、抗工CAM-I抗体、抗LFA-I抗体を投与したところ、対照に比し炎症は有意に抑制された。 以上より、原田病は穿孔性眼外傷を契機としない交感性眼炎とも考えられ、HLAクラスII遺伝子に規定されて発病するメラノサイト特異的自己免疫症患であることが明らかになった。本病の発病原因として疑われるEBウイルスの抗原提示、HFAとの係り、細胞接着因子の役割をはじめ、本病の発症機構が本研究によりほぼ明らかにされた。
|