研究課題/領域番号 |
02304061
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
仲間 一雅 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00097015)
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研究分担者 |
大橋 和史 日本医科大学, 医学部, 助教授 (80152221)
米田 嘉重郎 東京医科大学, 医学部, 助教授 (90074533)
高橋 和明 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 教授 (50120762)
小堀 鴎一郎 東京大学, 医学部, 助教授 (30110696)
相原 薫 日本医科大学, 医学部, 教授 (30060362)
杉崎 祐一 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60089620)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1991年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | WBN / Kobラット / 糖尿病 / 慢性膵炎 / 網膜症 / 精巣萎縮 / 糸球体硬磯症 / 心筋変性 / 膵炎 / 腎糸球体 / ERG / 精巣病変 / Kob ラット / 網膜外顆粒層細胞 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
この研究は、WBN/Kob雄ラットに自発する膵病変・糖尿病の本態を明確にし、膵病変の成因究明に資する情報を得るため、主要臓器の経時的な組識形態学的検索、組識機能検査、免疫組識学的検査および治療の試みなど多角的な観察によって遂行された。検索した15臓器の殆どに1、2ヶ月齢月に初期循環境障害所見を認め、病的変化をみるものが少なくなかった。中でも著明な病変を認めた臓器は膵臓、精巣、眼底網膜であり、次いで腎臓、心臓の変化が注目された。膵臓の病変は微小循環境障害期、出血性間質性膵炎期、実質性組識修復再生期からなる経過を特徴とし、全期を通して上皮細胞の腺腫様増殖を伴った膵管の拡長および小葉間リンパ節の肥大が観察された。精巣の病変は2ヶ月齢から認められ、水腫様肥大の発現に次いて精細胞層の菲薄化、精子形成の抑制がみられ、最終的には精巣の萎縮をきたすものであった。眼底網膜の病変は3ヶ月齢からみられ、網膜・神経乳頭部における杆・錐体層の菲薄化、網膜血管の狭細化、外顆粒層細胞の減少の所見が加齢とともに進行し、網膜変性に伴って漸次視覚機能低下が認められた。腎臓の病変は6〜8ヶ月齢において軽度で部分的な糸球体病変がみられ出すが、糖尿病発症後に基底膜およびメサンギウムの肥厚など糸球体の滲出性硬化の所見、尿細管上皮細胞の空胞変性などの所見が明確となった。心臓の病変は、3ヶ月齢で局所的な心筋線維の変性消失・核の脱落を伴う心筋の乱れが観察され、漸次変性域の拡大があった。このラット糖尿病は比較的長期のchemicalーdiabetic stageを経てovert diabetesなること、病状は比較的moderateに経過しインスリン治療なしに長期生存し得ることが特徴である。この経過をとる理由が早期からみられた組識再生の確認で解明された。また膵病変の経過がヒトの慢性膵炎に類似するところから、自発性慢性膵炎の病態モデルとして確立された。
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